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張本美和と「45歳差対決」。還暦にして息乱れぬ倪夏蓮の卓球人生。
posted2024/03/15 09:00
text by
藤島大Dai Fujishima
photograph by
AFLO
ラケットを振る人生ではない。人生がラケットを振るのだ。凹凸があって、されど滑らか。なんだか表裏のラバーのような過去と現在が小さな宇宙を打ち返す。
倪夏蓮。ニー・シャーリエンと読む。女子卓球のルクセンブルク代表である。
先の釜山での世界選手権。団体戦で日本の15歳、張本美和に敗れて、なお称えられた。年齢を知れば正当な評価だ。1963年7月4日に中華人民共和国の上海に生まれた。ちょうど60歳である。
41年前。東京での同選手権において、すでに中国代表で世界一に輝いている。団体および混合ダブルス。そのとき19歳であった。