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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「筒香は速い球が打てない」と言われ…メジャー挑戦5年目の筒香嘉智はどう感じてる? 渡米前に明かした本音「今年がダントツで感覚的にいい」
posted2024/02/20 17:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Getty Images
ロサンゼルス・ドジャース、大谷翔平投手の華々しいキャンプの話題で賑わう中、2月10日に米・アリゾナでのスプリングキャンプに向けて静かに日本を発った選手がいる。
サンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結び、米球界挑戦5年目に臨む筒香嘉智内野手だ。昨年は6月にテキサス・レンジャーズ傘下の3Aラウンドロックから自ら自由契約を選択し、約1カ月間に渡る孤独のトレーニングを経て独立リーグのスタテンアイランドに入団。8月末にはジャイアンツの2Aリッチモンドと契約して3Aサクラメントに昇格したが、9月23日の試合で左手親指に死球を受けて骨折。そのままシーズンを終えた。
このオフは昨年12月に竣工式を迎えた故郷、和歌山・橋本市の「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY」で、じっくり調整。新たにマイナー契約を結んだジャイアンツでは、春季キャンプに招待選手として参加しメジャー昇格を目指すことになる。
そんな筒香に米球界挑戦5年目への課題と取り組み、そして日本球界復帰を拒み続けてもなお、メジャー昇格を諦めない本音を前後編の2回にわたって直撃した。(NumberWebインタビュー全2回の前編/後編へ続く)
◇ ◇ ◇
――昨年10月に帰国してから渡米までの期間はアカデミーで練習を続けてきていましたが、内容的にはどういうものだったのでしょうか?
筒香 日本では日本でやるのに必要なバッティングがあるように、アメリカに行ったらやっぱりアメリカに合うバッティングっていうのがあるんだと思います。いままでアメリカで4年間の経験をさせてもらった中で、それを改めてああいうところ、こういうところって確認しながら技術、体のことは大前提としてやっていました。
――メジャー移籍後「筒香は速い球が打てない」と言われ続けてきた。自分的にはどう感じていますか?
筒香 自分的には速い球だけじゃなくて、全部、打てていないんです。逆にストレートだけとは思っていない。一つ言うと、ストレートを打って、打ち出したらまた変化球がきて、それを打ち出したらまたストレートがくる。その繰り返しだと思うんです。ただ自分の中ではストレートに対応しようとすることで、変化球に崩されたくないっていう感覚がずっとありました。全部の球種に対応したいという考えが、逆にどっちつかずになってしまったなあというのはありましたね。
試行錯誤で辿り着いた感覚
――単純に、すごく単純に言えば、真っ直ぐを打つために、ポイントを前に出すという方法もありますよね。