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打撃不振→12戦ぶり本塁打の大谷翔平…「カーショウ以来の大快挙」MVPとサイ・ヤング賞“W受賞への最難関”は防御率0点台よりも規定投球回数では
posted2026/05/14 06:02
ドジャース3年目、投手として抜群のスタートを切った大谷翔平。サイ・ヤング賞受賞の可能性はどれだけ現実的か
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広尾晃Kou Hiroo
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AP/AFLO
大谷翔平が3・4月のナ・リーグ投手部門の月間MVPに選出された。
大谷はエンゼルス時代の2021年6月と7月、23年6月と7月、ドジャースに移籍してから24年9月、25年5月と計6回月間MVPを獲得していたが、いずれも打者部門。投手としては今回が初。投打での受賞は例によってMLB史上初だ。
カーショウ以来W受賞者はいない
今季の大谷がサイ・ヤング賞を目指しているのは「公然の秘密」で、本人も否定していないようだ。トミー・ジョン手術(インターナルブレース手術含む)を2回経験している大谷は、次に右ひじを損傷した時は〈投手断念〉を決心しているとされる。そんな中で7月に32歳になる今季を「投手・大谷翔平」総決算のシーズンと考えているようだ。
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サイ・ヤング賞はMLBの投手最高の栄誉とされる。創設当初はア・ナ両リーグで1人だったが、1967年から両リーグ1人ずつになった。
日本の沢村賞の場合「先発完投型の投手」で、選考基準も勝利数や完投数など一定の基準があるが、サイ・ヤング賞は「そのシーズン最高の投手」を選び、特段の規定はない。過去には79年ナ・リーグのブルース・スーター(カブス/6勝6敗37セーブ)のように、クローザーが受賞した例もある。
かつてはMVPとサイ・ヤング賞の「W受賞」もあったが、2014年のクレイトン・カーショウ(ドジャース)を最後にいなくなっている。現在では「最も活躍した野手はMVP、投手はサイ・ヤング賞」という棲み分けが定着したようだ。
サイ・ヤング賞もMVPと同じく全米野球記者協会(BBWAA)に所属する記者の投票で決まる。その中で近年はWAR(Wins Above Replacement)という指標が重視されている。

