誰も知らない森保一BACK NUMBER
「絶対に“ノー”です」日本代表・森保一監督が“絶対に許さない”タイプとは?「握手拒否で1週間謹慎の例も…」選手に課す“3つのルール”
posted2024/02/15 11:05
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
J.LEAGUE
◆◆◆
森保監督が「絶対に許さないタイプ」
森保一には監督として絶対に許さないタイプの人間がいる。
「チームを批判する人間」と「チームの輪を乱す人間」だ。
書籍『プロサッカー監督の仕事』(森保一著)の中でこう語っている。
「『もし監督じゃなかったら何になりたかった?』という類の質問があると、僕は『心理カウンセラー』と書いています。どうやってなるのか、何を勉強すればいいのかも知らないのですが、それくらい『人の心』に興味があるのです。
人の心を推察しても、その人を肯定することも否定することもありません。いろいろな個性があっていいと思うし、その中で周囲のことを思いやれる人間もいれば、自己中心的な人間もいます。それを否定することはしません。(中略)
ただ、それをサッカーチームに当てはめた場合、僕が絶対に許さないタイプも存在します。それは『チームを批判する人間』と『チームの輪を乱す人間』です。
別に性格やそれぞれの生活リズム、試合に向けた気持ちの持って行き方を崩してまでチームに合わせる必要はないと思います。しかし、チームメートやグループの輪が崩れるような言動は絶対に『ノー』です」
1週間謹慎になった理由
厳格に「ノー」といった有名な例が、2014年8月、サンフレッチェ広島でエースだった佐藤寿人に1週間の謹慎を命じた処分だ。
佐藤は鹿島アントラーズ戦のハーフタイムに交代を告げられたとき、みんなが見ている前で悪態をつき、森保との握手を拒否してしまう。森保はうやむやにせず、1週間の謹慎を通告。トップチームの練習中にピッチに入ることすら許さなかった。たとえエースでも輪を乱したら許さないという断固とした姿勢を見せたのである。
2024年1月に公開されたDAZNの佐藤寿人との対談番組において、森保は当時の心境をこう説明した。