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“りくりゅう”復帰戦で銀メダル「なぜミスが出たのか」海外記者の質問に木原龍一は…「僕のためには滑らないの!?」に三浦璃来は何と答えた?
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byEPA=JIJI PRESS
posted2024/02/13 17:00
フィギュアスケート四大陸選手権で銀メダルを獲得した三浦璃来&木原龍一の“りくりゅう”ペア。世界選手権への意気込みも明かした
「ショートが終わった日に、龍一くんのお母さんからメッセージをいただいて。『怪我が完治するまで待ってくれてありがとう。すごく感動したよ』って。その言葉で、『今日のフリーは龍一くんのお母さんのために笑顔で滑ろう』って思っていました」
それを横で聞いていた木原は、「僕のためには滑らないの!?」と苦笑い。「まあ、冗談ですが…。璃来ちゃんの気持ちが上手く切り替わったみたいで、母には感謝したいと思います」
改めて、怪我の回復具合や練習状況について、木原が語る。
「実は、フリーを通したのは、今日の本番がまだ4回目。でも試合前に言うと、言い訳になってしまうのが嫌だったので、言いませんでした。今日は(疲れて)明らかに足が止まっていましたが、そこは回数を重ねれば、世界選手権(3月21日〜25日)までに必ず修正できると思います」
三浦も続ける。
「やっぱり滑り込むにつれて、自分たちのスピード感を出せるようになってきて。スピード感が出るから技もハマる、という感覚を思い出せて、見失っていたものを見いだせたと思います。四大陸選手権までの2週間は、本当に良い練習が積めていたので、チャレンジカップ(2月22日〜25日)と世界選手権に向けて、この練習をずっと続けていければ良い結果を出せると思います」
「璃来ちゃんの言う通り、この練習を続けていけば必ず自分たちの強さは戻ってきます」
モントリオールの世界選手権に向けて
世界選手権の開催地はモントリオール。実は、フリーの曲は、モントリオール出身のディオンとフェルランの曲である。衣装も、2人のライブをイメージして、三浦がベージュの大人びたドレス、木原がタキシード風の衣装を準備。モントリオールの地で、現地のフランス系カナダ人に愛される名デュエットを、再現する演出である。
試合後、衣装について聞かれると、木原が言う。
「璃来ちゃんの衣装はキラキラしていてきれい。(9月の)初戦は衣装が間に合わなくて、今回デビューの衣装でした」
木原のタキシード姿は?と聞かれた三浦が答える。
「かっこいいなって思います」
面と向かって褒められるのに慣れていない木原が「次(の話題)行きましょう、次」と、照れ笑いを見せた。
昨季までは、9歳上の木原が世話役に徹していた2人だが、三浦が木原をからかう姿は、ちょっと新鮮。強い絆を手にした2人は、3月のモントリオールに向けて、駆け上がっていく。