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“りくりゅう”復帰戦で銀メダル「なぜミスが出たのか」海外記者の質問に木原龍一は…「僕のためには滑らないの!?」に三浦璃来は何と答えた? 

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byEPA=JIJI PRESS

posted2024/02/13 17:00

“りくりゅう”復帰戦で銀メダル「なぜミスが出たのか」海外記者の質問に木原龍一は…「僕のためには滑らないの!?」に三浦璃来は何と答えた?<Number Web> photograph by EPA=JIJI PRESS

フィギュアスケート四大陸選手権で銀メダルを獲得した三浦璃来&木原龍一の“りくりゅう”ペア。世界選手権への意気込みも明かした

「ああ戻ってきたんだな」

 世界王者のタイトルを背負う自分への期待もある。一方で、4カ月ぶりの復帰戦という喜びもある。せめぎ合う気持ちのなかで、2人は一つ一つのエレメンツに挑んでいった。いくつかのミスはあったが、復帰戦としては当たり前のこと。大きな拍手が2人を包む。しかし演技を終えた瞬間、三浦は硬い表情で木原から目をそらした。木原は無言で、ポンポンと三浦の背中を叩き、立ち上がった。

 三浦は、ジャンプでの自身のミスを責めている様子だった。ショートは65.61点で2位。ブルーノ・マルコットコーチが「まずは第一歩を踏み出せたじゃないか!」と笑顔で迎え入れても、三浦はがっかりした顔を隠さずにいた。

 記者会見では海外メディアから、「なぜミスが出たのか」と質問が飛ぶ。すると木原が笑いながら答えた。

「僕も聞きたい(笑)、僕も聞きたいです、解決方法があるならね。ミスが出てしまうときはどんな試合でも出てしまうので、そういう日だったのかなと思います」

 いつまでも自分を責めている三浦を救おうとしたのだろう。軽い冗談で、記者の質問をかわした。

自己ベストに30点以上及ばずも、笑顔の理由

 フリーは2日後。2人がもう一度、お互いに向き合うだけの時間はある。そして、本番を迎えた。

 曲は『Une chance qu'on s'a』。セリーヌ・ディオンとジャン・ピエール・フェルランによる、運命の人に出会えた喜びを交わし合う、愛のデュエットだ。ディオンの「あなたがいてくれて幸せ。私にはあなたがいて、あなたには私がいる」の歌声に乗せて滑り始める。冒頭、高さのある3回転ツイストを決めると、目線を交わし合った。

 演技後半、ショートとは対照的なシーンがあった。三浦がスロージャンプで転倒すると、木原が満面の笑みで両手を伸ばす。三浦もすぐに立ち上がり、全力で演技を続けた。2人の世界は崩れなくなっていた。

 得点は総合190.77点での銀メダル。自己ベストには30点以上及ばないが、点を見ても2人の笑顔は変わらなかった。すがすがしい表情の理由を聞かれると、木原が答える。

「先週やっとフリーを通したのですが、本当にキツくて。練習であまりにキツそうにしていたら、コーチから『(演技中盤の)ペアスピンの所で止まって休憩していいよ』と冗談で言われて。だから、本当に試合の途中で止まろうかと思いました」

 すると、三浦が「おいっ!」と間髪入れずに突っ込む。2人のやりとりから、信頼と安心が伝わってきた。

何が、三浦璃来を変えたのか?

 何より、ショートからフリーで変わったのは、三浦の表情だ。ミスで自分を責める様子が消えていた。何が彼女を変えたのか問われると、とっておきの秘密を打ち明けるかのように話す。

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