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“りくりゅう”復帰戦で銀メダル「なぜミスが出たのか」海外記者の質問に木原龍一は…「僕のためには滑らないの!?」に三浦璃来は何と答えた? 

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byEPA=JIJI PRESS

posted2024/02/13 17:00

“りくりゅう”復帰戦で銀メダル「なぜミスが出たのか」海外記者の質問に木原龍一は…「僕のためには滑らないの!?」に三浦璃来は何と答えた?<Number Web> photograph by EPA=JIJI PRESS

フィギュアスケート四大陸選手権で銀メダルを獲得した三浦璃来&木原龍一の“りくりゅう”ペア。世界選手権への意気込みも明かした

「龍一くんがリハビリをすごく頑張っている、その横で、私自身もトレーニングをする。コーチから言われたのが、片方だけリハビリを頑張って、片方が別のところでトレーニングしていたら、お互いが『あの子、ちゃんと練習やってるのかな』っていう気持ちになる。だから『2人同時に強くなれ』って言われました」

 木原も続ける。

「そう、どちらかが弱い方を引っ張るんじゃなくて、2人で強くなれ、と。そしたらもっと強くなれる、と言われました」

「僕たちはもう一度這い上がっていこう」というメッセージ

 一緒にリハビリトレーニングをすることで、回復具合も共有できる。腰椎分離症は、無理をすると慢性化するため、練習再開の時期はかなり慎重に判断した。GPシリーズ2戦と全日本選手権を欠場し、12月の下旬に、ようやく光が見え始めた。

「12月の末に、四大陸選手権を目指そうということをチームで話しました。1月の第2週でようやくペアの技を練習し始めて、ショートの通しをしたのが2週間前、そして先週に初めてフリーを通せました。準備期間は短かったですが、まずは試合に出ないと評価レベルがまったく分からない。順位や点数はとにかくいいから、現状を知ろうっていうことで出場を決めました」(木原)

 1月29日に、上海入り。三浦は自身のSNSに機内の写真をアップし、「とてもわくわくしています」とアピールした。現地の公式練習では木原が「会場に来てからの練習では、痛みはほとんどありません」とコメント。2人の笑顔が、回復ぶりを物語っていた。

 

 迎えたショートプログラム。2人は曲を変更する決断をしていた。9月の初戦では大人びたジャズナンバーだったが、力強いメロディの『Dare You to Move』へ。木原は言う。

「シーズンインしてから自分たちの良さが分からなくなって、もう一度作り直したもの。原曲は歌詞が入っているのですが、僕たちが使っているのはバイオリンバージョンです。もとの歌詞は『もう一度立ち上がっていく』という内容で、僕たちはもう一度這い上がっていこう、というメッセージを込めています」

 三浦は、エメラルドグリーンの衣装に身を包み登場。その華やかな色合いは、希望の光を感じさせた。

「私は、離脱して戻ってきたことで、スケートを一緒に滑れる喜びをイメージしています。コーチからは、私たちらしい滑りをすればいい、と言われました」

海外メディアからの鋭い質問に、木原は…

 演技のスタート前、2人はリンク中央でグッと固い握手を交わす。そして、それぞれのスタート位置に立つと、2人は同じことを感じた。

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