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「ユウタは素晴らしいチームメイト」サンズの誰もが渡邊雄太の成功を願っている…古巣への電撃トレードが“プラス”に働きそうな理由とは?
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byAlex Goodlett/Getty Images
posted2024/02/11 11:03
グリズリーズへのトレードが決まった渡邊雄太(29歳)。ケビン・デュラント(左)ら“ビッグ3”との共闘は胸躍るシーンの連続だったが、サンズでの時間はわずか7カ月で終幕した(写真は昨年11月)
「ユウタは長さ(ウィングスパン)に恵まれた素晴らしいシューターなのだから、あとは自身のショットをクリエイトする術を学べれば大きいと思う。真のプロフェッショナルであり、素晴らしいチームメイト。また新しい武器を身につけて、次のチームでは良い機会を得ることを願っているよ」
NBAで15シーズンにわたってサバイバルを続けてきたサンズのエリック・ゴードンはそう述べ、元チームメイトになった渡邊にエールを送っていた。
そんな大ベテランの言葉通り、姿勢の正しさに定評があり、これまでトロント・ラプターズ、ネッツでも活躍した渡邊には、プレーオフチームに貢献する力があることが証明されている。サンズで力を出しきれなかったといって、NBAでのキャリアは終わりではない。あとはゴードンが言及していた通り、これまでやってきたことに何らかのアクセントを添え、心機一転、再び這い上がっていければ……。
何度も窮地を乗り越えてきた不死鳥
「これだから人生って楽しい」
トレード報道後、Xにそう投稿していた渡邊は、実際にグリズリーズでの第2章を心から楽しみにしていることだろう。サンズに愛着を感じていたことは前述通りだとしても、移籍先でもすぐに心を込めた全力プレーを続けてくれる選手。そんな熱いプレイヤーだからこそ、アレン、ゴードンといった元チームメイトたちだけでなく、多くのファン、関係者が成功を願っている。
これまで何度も窮地を乗り越えてきた不死鳥(フェニックス)のような渡邊だけに、フェニックスの街から離れたあとも、崖っぷちからの逆襲にもう一度だけ期待を寄せたくなる。