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「ミスした映像を泣きながら見ていた」渡邊雄太“バスケIQ”の原点は“父母との反省会”…NBAで証明「ユウタはいつでもライトスポットに」
posted2023/11/01 17:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
フェニックス・サンズのコーチやチームメイトたちが渡邊雄太について語るとき、必ず口にする言葉がある。「ライトスポット(適切な場所)」だ。
昨季前半にブルックリン・ネッツで渡邊とチームメイトで、この夏には自ら渡邊をサンズに勧誘したケビン・デュラントは言う。
「ユウタとはブルックリンでいっしょにプレーして、とても楽しかった。とても賢い選手で、いつでも“ライトスポット”にいるんだ」
サンズのヘッドコーチ、フランク・ボーゲルも言う。
「彼のプレーは大好きだ。1対1のディフェンスが一流でないと言われるけれど、彼はチームディフェンダーとして一流だ。チームの戦術をよく理解し、いつでも“ライトスポット”にいる」
渡邊はオフェンスでも、ディフェンスでも、チーム戦術のなかで自分が求められることを理解し、試合展開の中で、常に自分がいるべき場所に動いてポジションを取っている。だからこそ、そんな評価がついてくる。
シュート力を評価されてサンズ入りした渡邊だが、それに加えて、バスケIQが高く、いつでも正しいプレーができることに対する評価は、練習ごと、試合ごとに高まっている。シュート力がサンズに入るための鍵だったとしたら、バスケIQは試合に出るためのチケットと言ってもいい。
渡邊雄太が考える「バスケIQ」とは?
「バスケIQって何?」と思った人のために、まずは渡邊本人に、彼にとってバスケIQとは何なのかを聞いてみた。
「一瞬の判断ができるかどうかは、バスケIQの大きな一つ(の要素)だと思っています。NBAではよく、0.5プリンシプル(0.5秒の原則)と言って、ボールを持ってから0.5秒で反応する(ことが大事)と言われますけれど、それはできる方だと思います。あと、ボールを持ってないときのポジションの取り方。オフェンスでもディフェンスでも、両方で、自分が関わってないときにどれだけチームに関われるか。自分が関係ない(ボールや攻撃に直接かかわっていない)プレーのときにこういう動きをしているから、この人のこういうプレーが生きたとか、そういう部分も含めて瞬時に判断できるかどうかっていうのは、IQが高い低い(の要素)ではあるのかなと思います」