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「ユウタは素晴らしいチームメイト」サンズの誰もが渡邊雄太の成功を願っている…古巣への電撃トレードが“プラス”に働きそうな理由とは?
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byAlex Goodlett/Getty Images
posted2024/02/11 11:03
グリズリーズへのトレードが決まった渡邊雄太(29歳)。ケビン・デュラント(左)ら“ビッグ3”との共闘は胸躍るシーンの連続だったが、サンズでの時間はわずか7カ月で終幕した(写真は昨年11月)
サイズとバスケットボールIQに恵まれた3-Dプレイヤー(3Pシュートと守備に特化した選手)は開幕当初こそ安定したプレータイムを得たものの、昨年12月中旬以降は出番が激減。1月は多くのゲームでDNP(コーチ判断での欠場)となり、プレーした6試合でも平均5.5分で1.2得点に終わっていた。
役割が減少した原因はやはりロングジャンパーの精度が下がったことだろう。昨季、ネッツではどちらもキャリアベストのFG成功率49.1%、3Pは44.4%をマークした渡邊だったが、今季はFG36.1%、3P32.0%。デュラント、ブッカーらが生み出したスペースを生かすという役割を果たしているとはいえなかった。
説得力あるアレンの言葉
「短めのプレータイムの中で、シュートのスペシャリストとして結果を出すのは簡単なことではないんだ。何本かのシュートを外したら、プレーの機会はもう巡ってこないかもしれない。そこでリズムを掴むのは難しいことだ。それらはすべてのシューターが時に経験し、苦しんできたことでもある。特に今のこのチームはローテーションが定まってきていたから、ユウタが調子を取り戻すのは困難だった」
今季は3P成功率49.4%でリーグ1位のグレイソン・アレンはそう述べ、プレータイムが減ったあとでも丹念な準備を続けた渡邊を気遣った。同じく3-Dタイプであり、グリズリーズ時代から渡邊のチームメイトでもあったアレンの言葉には説得力がある。
また、渡邊がコンスタントな出場機会を得ていたシーズン序盤のサンズは故障者が多く、チーム内のケミストリーを養成するのが難しかったことも付け加えておきたい。