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「東京マラソンで日本記録の更新を」…日本長距離界の女王・新谷仁美が「走る理由はモチベーションより責任感」と言う“納得のワケ”

posted2024/02/10 11:02

 
「東京マラソンで日本記録の更新を」…日本長距離界の女王・新谷仁美が「走る理由はモチベーションより責任感」と言う“納得のワケ”<Number Web> photograph by L)Hideki Sugiyama、R)JMPA

3月の東京マラソンで日本新記録を狙うという新谷だが、東京五輪は1万mで出場(右)するなど本人曰く「マラソンランナーではない」という

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

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L)Hideki Sugiyama、R)JMPA

 2024年3月3日、新谷仁美(積水化学)が再び東京マラソンに帰ってくる。2022年の東京マラソンで13年ぶりにマラソン復帰。レース後「マラソンはもう嫌。2度とやりたくない」と語っていたが、この数年はマラソンでの日本記録更新に挑み続けている。

 昨年は、目標達成まで「あと数秒」に迫ったレースや、そこからの失敗レースも経験した。この1月には自身がペースメーカーを務めた大阪国際女子マラソンで、前田穂南(天満屋)の日本記録樹立の瞬間も目撃した。紆余曲折を経てたどり着いた東京の地で、彼女は何を目指すのか。その率直な胸の内を聞いた。《NumberWebインタビュー全3回の最終回》

 3月、新谷仁美は再び東京マラソンで日本記録更新を狙う。

 なぜ東京に出ようと思ったのか、どのようなプランを立てているのか、本人に聞いた。

「五輪の選考レースは着順を意識してしまう」

「実は昨年1月のヒューストン・マラソンが終わった直後から、東京マラソンへのお誘いをいただいていました。ただ、9月にベルリン・マラソンを走ることは決めていたので、ベルリンの結果次第かなと思っていたんです。

 それがああいう結果(※2時間23分8秒で11位)になって、次のレースを考えた時にヒューストンだと少し時期が早い。それで『3月、4月の大会がいいよね』と話していたのですが、パリ五輪の代表権が絡む大会だとどうしても着順を意識してしまう。それは外そうということになって」

 最後に残ったのが、4月のロッテルダム・マラソンと東京だった。

「2つの大会を比べた時に、移動での疲労が私の中では結構きつくて。ロッテルダムに行くには、1回乗り継ぎがあると聞いて、疲労を抜くための時間が無駄だなと思った。だったら東京にしようかということになりました」

 昨年の段階で東京マラソン出場は決めていた。

 だが、練習は積めていたのに、ベルリンでも駅伝でも自分の求める結果を出せなかったことが新谷を躊躇わせた。本当に走れるのか――そんな新谷の迷いを横田真人コーチも敏感に察していた。

【次ページ】 短期間の準備ゆえのメリットも

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