松坂大輔「怪物秘録」BACK NUMBER
松坂大輔「宿命の対決、第二章」(連載39)
posted2024/02/04 09:00
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Kiichi Matsumoto
大リーグデビュー戦で白星を挙げ、続いての登板機会は本拠地、フェンウェイパークでのマリナーズ戦だった。迎える1人目の打者はもちろんイチロー。待ち望んだ瞬間がついにやってきた。
2007年4月2日、カンザスシティ。街の郊外にあるロイヤルズの本拠地、カウフマンスタジアムにレッドソックスの選手を乗せたバスが到着した。メジャーでの初先発を3日後に控え、この日の開幕戦に臨んでいた松坂大輔は、車窓から目に飛び込んできたある風景に驚かされた。
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バスが球場に着いたのがちょうどお昼時だったんですが、駐車場のあちこちでお客さんたちがバーベキューをしてるんです。キャンピングカーやピックアップトラックがズラッと停まっていて、みんなが食べたり飲んだりしている。ああ、こっちではこんなふうにして試合開始までの時間を過ごすんだとビックリしました。ああいう光景は日本では絶対に見ないじゃないですか。いいなぁ、いろんな楽しみ方を知ってるんだなぁと感心したのを覚えています。