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《秘蔵カット満載》今季ドカティで新たな挑戦に臨むマルク・マルケスの写真が語る、15歳から30歳までの驚異的キャリア
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2024/01/11 17:00
ホンダでの最後のレースとなった2023年最終戦バレンシアGPでのマルケス。ヘルメットには「感謝」の文字があった
ドゥカティ移籍での新たな挑戦
23年シーズンを終え、マルケスは24年まであったホンダとの契約を解消。24年はドゥカティを使用するグレッシーニ・レーシングへの移籍を決めた。その初テストが、23年最終戦バレンシアGPの後の公式テストで実現。わずか1日の走行で最終的に4番手だったが、マルケスはドゥカティ初乗りにもかかわらずセッション中にトップに浮上するなど大きな話題になった。
エンジン・コントロール・ユニットの進化で、MotoGPクラスはこの20数年の間に扱いやすく、乗りやすいマシンに変化した。2ストローク500ccを乗りこなすのに3年かかるという時代に比べ「才能あるライダーならすぐにパフォーマンスを発揮できる時代」に変わり、その分、厳しい接戦ばかりとなった。そういう時代において、マルケスは身体能力の高さを武器に次元の違う走りを見せ、最高峰クラスの戦いを「スポーツ」と呼べる領域に押し上げた。これからチャレンジするドゥカティで、果たしてどんな走りを見せてくれるのか。進化を続けるマルケスに注目したい。