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《秘蔵カット満載》今季ドカティで新たな挑戦に臨むマルク・マルケスの写真が語る、15歳から30歳までの驚異的キャリア
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2024/01/11 17:00
ホンダでの最後のレースとなった2023年最終戦バレンシアGPでのマルケス。ヘルメットには「感謝」の文字があった
2013年 MotoGPでデビューイヤーで戴冠
雨のバレンシアでMotoGP初ライドを行ったマルケスは、その後、マレーシア・セパンのテストで経験値を積み、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)のテストでは、ルーキーながらトップタイムをマークして周囲の度肝を抜いた。
開幕戦カタールGPではバレンティーノ・ロッシと2位争いを繰り広げた末、3位で初めての表彰台を獲得。続くアメリカズGPでは、最高峰クラス史上最年少記録PP(20歳62日)、史上最年少優勝(20歳63日)を達成。フレディ・スペンサーの記録を30年ぶりにブレイクして世界中の注目を集めることになった。
その後、安定した走りで表彰台に立ち、第8戦ドイツGPで2勝目を挙げると、そこから一気に4連勝。さらに、後半のアラゴンGPで6勝目を挙げてタイトル争いに浮上する。そして最終戦バレンシアGPをタイトル王手で迎えたマルケスは、確実に走って3位でフィニッシュ。史上最年少記録(20歳266日)でタイトルを獲得し、スペンサーの史上最年少チャンピオン記録もブレイクした。最高峰クラスでデビューシーズン6勝も新記録だった。
2014年 マルケス史上もっとも速く、強かったシーズン
史上最年少チャンピオンとして臨んだ14年は、マルケスがタイトルを獲得した6回の中でも最高に速くて強いシーズンだった。肘擦り走法、転倒寸前からリカバリーするスーパーライディングなどなど、マルケスの走りは話題を独占。どれも類い稀な身体能力の高さがあってのものだが、MotoGPクラスでは見られないギリギリで追い抜いていく車幅感覚とスピード感覚は、ライバルたちから「危ない」と指摘されるほどだった。この年の開幕10連勝、シーズン13回のPPと13勝は、最高峰クラス最多記録となった。また、このころはロッシとの関係も良好で、微笑ましい光景もたびたびあった。
最終戦バレンシアGP後の公式テストでは、Moto3クラスでタイトルを獲得した実弟アレックスが兄のMotoGPマシンに試乗。兄弟ライドが注目を集めたが、そこにロッシが加わり、3人で走行するシーンが演出されて話題になった。