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格闘技PRESSBACK NUMBER
“朝倉未来を失神させた男”YA-MANが号泣…「絶対にやり返します」平本蓮に敗れ、傷だらけの顔で語った「どうしても勝ちたかった」本当の理由
posted2024/01/05 17:00
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
思いの強さが裏目に…冷静さを欠いたYA-MAN
「悔しいです。自分が弱かったですね」
試合後、インタビュースペースに現れたYA-MANは開口一番、敗北を潔く認めた。そのあと「絶対……」と発すると涙声となり、嗚咽しながら本音を吐いた。
「今回は何が何でも勝ちたかった。絶対やり返します」
右目上に貼られた絆創膏が痛々しい。聞けば4針ほど縫ったというが、YA-MANにとっては身体的な傷よりも、心のダメージの方が大きいことは明らかだった。何度も「絶対にやり返す」と繰り返したことが、それを如実に物語っていた。
12月31日、さいたまスーパーアリーナ。『RIZIN.45』で行なわれたYA-MANと平本蓮によるMMA(総合格闘技)マッチは、平本に軍配が上がった。11月19日に朝倉未来とのオープンフィンガーグローブ着用によるキックボクシングマッチを制してから1カ月と少し。勝利の女神が再びYA-MANに微笑むことはなかった。
試合内容は大方の識者が予想した通り、「YA-MANが仕掛け、平本がカウンターを狙う」という展開になった。真っ向勝負に臨んだYA-MANのプレッシャーは強かったし、フルスイングのフックは何度も場内をどよめかせた。その一撃に合わせるように、対戦相手の真正面に立った平本はストレート系のパンチを見舞っていく。いつどちらが倒れてもおかしくない距離で打ち合う展開も多かった。
そうした中、なぜYA-MANは敗れたのか。ひとつは、あまりにも気持ちを入れすぎたことがあげられる。本人も「いつもとは違う気持ちだった」と証言しているが、途中から著しく冷静さを失っていたのだ。YA-MANは「もらわなくてもいいパンチをもらっていた」と振り返る。
「たぶん(平本の)パンチをもらっても大丈夫だと思い、避けないでもらっていた。反対に自分のパンチは避けられていたので、見栄えは悪かったのかなと思いました」
さらにYA-MANは「効かなかった」と言い張るが、平本のインロー(内股へのローキック)を何発も食らい、試合の途中から右足の内ももは痛々しく変色していた。