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ド派手な金髪、ツーブロックにバチバチメイク…“オシャレスプリンター”和田麻希(37歳)が語る現役時代「当時は『大和撫子』が求められたのかな」 

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荘司結有

荘司結有Yu Shoji

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photograph byAFLO

posted2024/01/18 11:03

ド派手な金髪、ツーブロックにバチバチメイク…“オシャレスプリンター”和田麻希(37歳)が語る現役時代「当時は『大和撫子』が求められたのかな」<Number Web> photograph by AFLO

現役時代はド派手な金髪やサイドを刈り上げたツーブロックなど、ビジュアル面でも注目を集めた和田麻希さん

初出場の日本選手権で入賞。結果以上に目立ったのは…

 大学1年生だった2005年の日本選手権。和田は初出場にも関わらず、女子200m決勝に進み、4位入賞を果たしたのだ。

 女子200m日本記録保持者(ミズノ/当時)の信岡沙希重、同じく400mの日本記録保持者である丹野麻美ら注目選手のなかに、“新参者”の金髪スプリンターが並ぶ姿は、予想外に注目を集めることとなった。

「そもそも髪を明るく染めている選手もいませんでしたし、無名でいきなり出てきたやつが金髪だったので、『あの選手は誰なんだ』みたいな感じでざわついたんですよね。いい意味でも悪い意味でも注目されたので、それで先生から『金髪はちょっとやめておこうか』って言われたんです。

 しばらくは抵抗していましたが、最終的には『とりあえず化粧ができるならいっか!』って諦めたのかな。先生からしたら、面倒くさい生徒だったと思います(笑)」

 金髪をやめるように提案したのは、若い和田が過度に注目されることを恐れた指導者の配慮でもあったのだろう。

 社会人以降こそ“オシャレスプリンター”のイメージが強い和田だが、大学時代はそこまでその印象が強くないように思う。和田に聞くと、それにはこんな背景があった。

「合宿の早朝練習前、周りの子たちは寝ているのに、私だけメイクのために1時間くらい早く起きなきゃいけなくて。それが苦痛すぎて『もうええわ』って感じてしまって(笑)。周りもみんなすっぴんだったので、やっとそこに溶け込んだというか。その分、休みの日はガッツリメイクして楽しもうと思ったんです」

 大学時代はオンオフを切り替えながら、競技者として飛躍的な成長を遂げた。大学3年時には全日本学生チャンピオンシップ100m・200mでそれぞれ大会新記録の11秒63(+1.1)、23秒67(+1.3)をマーク。大学4年の日本選手権200mでは2位入賞を果たす。

【次ページ】 代表では「髪色を暗く、ピアスもなるべく外す」と…

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