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ド派手な金髪、ツーブロックにバチバチメイク…“オシャレスプリンター”和田麻希(37歳)が語る現役時代「当時は『大和撫子』が求められたのかな」
text by
荘司結有Yu Shoji
photograph byAFLO
posted2024/01/18 11:03
現役時代はド派手な金髪やサイドを刈り上げたツーブロックなど、ビジュアル面でも注目を集めた和田麻希さん
初めのうちは和田の直談判が功を奏し、「眉毛を描くこと」だけは死守できた。だが、メイクやヘアカラーについては部則で禁じられていた為、後に和田はそのルールにのっとりながらも、オフの日にはこっそりオシャレを楽しむことが息抜きになっていた。
「休みが4、5日あればその間だけでも金髪にしていました。部活が始まるときにまた戻して、でも間に合わなかったら『黒彩』(※黒染めスプレー)を振っていましたね。多分、バレたら良くなかったとは思うのですが、先生も知っていたと思います。プリクラあげたりしてたんで(笑)。でも、練習はしっかりやっていたから見逃してくれていたのかな」
高校卒業後は「競技を続ける気はなかった」
そう無邪気に振り返る和田だが、決して陸上に遊び半分で取り組んでいたわけではなく、高校3年時にはその年の高校生ランキング1位の11秒84(+1.7)をマーク。インターハイ6位入賞など全国レベルで一定の成績を収めていた。
だが、高校卒業後は陸上を続けるつもりはなかったという。
「陸上自体はすごく楽しかったのですが、その分練習はキツかったし、高校時代の意欲をこれからも保てるのかなって不安もあったんです。友達に『私が大学でも続けるとか言い出したらビンタして!』って冗談で言っていて(笑)。結局、陸上の成績で大学に呼んでもらえたし、大学生になったら遊べる時間も増えるかなって、少し安易な気持ちで続けることにしたのですが……(笑)」
そうして冒頭の言葉通り、龍谷大に進んだ和田は金髪のまま陸上部に顔を出した。
「私は全然気にしていなかったけれど、後から聞いたら周りの子たちはびっくりしてたみたいです」と笑う和田。入部して数ヶ月はその髪色のまま練習に臨んでいたが、ある試合を機に変えざるを得なくなった。