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セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
アジア杯落選…鎌田大地が語った「難しい時期」は続くのか「カマダを信じる。だが」ラツィオの戦術魔サッリも本音で悩む「文化の問題」
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byInsidefoto/Getty Images
posted2024/01/04 17:01
ラツィオで「難しい時期」が続く鎌田大地。打開するのはクラブの戦略か、それとも鎌田自身のアクションか
いずれも先発したCLグループリーグ第4節フェイエノールト戦(1-0◯)、セリエA第13節サレルニターナ戦(1-2●)、そして同16節インテル戦(0-2●)だ。
とりわけインテル相手のホームゲームは、敗れはしたもののラツィオにおける鎌田のベストゲームではないか。
サッリは「カマダ中心」を仄めかしていた
直前のCL最終節A・マドリー戦で試合内容を巡ってチームメイトと諍いを起こしたL・アルベルトがスタメンから外されたため、先発した鎌田にボールが集まった。
「チームとしての排気量でいえばインテルはフェラーリ、ラツィオは(大衆車)チンクエチェント」(ご意見番アッリーゴ・サッキ)
圧倒的な戦力差にも怯まず、鎌田は水を得た魚のように左インサイドハーフの位置からでも3トップと中盤を繋いで操り、昨季のCL準優勝チームを果敢に攻めた。お粗末な守備のミスから先制されるもラツィオの士気は高く、56分に鎌田はゴール正面で絶好機を得た。
だが、力んだ左足シュートは左に大きく外れた。
いつもならミスをしてもポーカーフェイスの鎌田が、珍しく両手を合わせて無念の表情で天を仰ぎ、65分の交代直後に追加点を奪われ、ゲームの趨勢は決した。
敗戦後にサッリは思わせぶりに言い残している。
「2失点目(=鎌田交代)までは今季最高のゲームだった。最初の20分間はうちのボールポゼッションで、インテルの自陣侵入を許さなかった。今夜の試合は今後に向けてベースとなるゲームだ」
つまり、この時点では鎌田を近い将来の中心に据えることすら仄めかしていたのだ。チームメイトたちはこの発言をどう捉えただろうか。
サッリは「まだ信じている」とも話している
戦術魔サッリが、鎌田の本分が1.5列目にあることを知らないはずはない。シーズン序盤の低迷期には地元ローマの口さがないメディアから何度となく4-2-3-1を例に戦術変更を提言されたが、サッリは「そんなものは数字の言い回しにすぎん」と煙に巻いている。