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箱根駅伝“山上りの5区”は実際どれほど過酷なのか? 元陸上部のお笑い芸人が20.8kmを歩いてみた「股関節がヤバい」「壁のような急坂が…」 

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松下慎平

松下慎平Shimpei Matsushita

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posted2024/01/02 11:10

箱根駅伝“山上りの5区”は実際どれほど過酷なのか? 元陸上部のお笑い芸人が20.8kmを歩いてみた「股関節がヤバい」「壁のような急坂が…」<Number Web> photograph by Number Web

箱根駅伝5区の名所のひとつ・大平台のヘアピンカーブで。元長距離ランナーのお笑い芸人・松下慎平が「山上り区間」の踏破に挑んだ

 中継ではあまり気づかないが、このヘアピンカーブはなかなかの絶景スポットである。開けた視界に映る山並みの紅葉が美しい。もちろん空気も抜群にうまい。我々の横を通り過ぎる観光バスの乗客が、窓越しに手を振ってくれる。

 後から聞いた話ではあるが、山上りを体験しようとして途中で動けなくなり、バスやタクシーに乗り道半ばで下山する人も一定数いるという。思いつきや酔狂で完遂できるほど、箱根の山道は甘くないのだ。

中間地点・宮ノ下で心を折る「壁のような急坂」

 しばらくの山道の後、9km過ぎの宮ノ下に入ると急に生活感が現れた。街並みにはレトロ感が漂っており、自分がいつの時代を生きているのか見失いそうになるが、歩道の幅も確保され、気が緩む。

 歩を進めながら有名な富士屋ホテルの見事な外装を目にし、「宿泊費はどれくらいなのかな?」「いいお値段するんじゃないですかねえ」などと下世話なことを話していると、目の前に「壁」が現れた。もちろん壁などあるはずもないのだが、そのように感じられるくらいの急坂だ。コース中でもっとも傾斜がきついとされる坂がちょうど中間辺りにあるのは、ランナーにとってかなり精神的にこたえるだろう。

 坂を目の前にして元気を取り戻しつつあったAの心が再び折れたのか、はたまた現実に引き戻されたのか――「ちょっと仕事の連絡させてください」と、半ば強引に休憩の時間を設けるのであった。

 スタートからすでに3時間が経過し、時刻は正午。果たして、こんな調子で芦ノ湖まで辿り着けるのだろうか……。

<続く>

#2に続く
箱根駅伝5区「実際に歩かないとわからない」本当の“難所”とは? 標高874m“国道1号最高地点”で味わった感動「学生ランナーはスゴすぎる」

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