濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
覆面女子レスラーにリングアナ…プロレス兼業の女性芸人が語る“ギャップ以上の面白さ”「M-1がなかったらお笑いをやってなかったかも」《インタビュー》
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2023/12/23 17:00
芸人グループ「ショウガールズ」のリーダーでリングアナの野中美智子(右)と、お笑いコンビ「ネバーギブアップ」のHARUKAZE(中央)とおおのまりあ
芸能界にギリギリしがみついている女性たちの中にも「面白いしかわいい子」がたくさんいた。
「でも売れることは諦めちゃってる感じで。そういう子たちで集まってネタをやろうと。それがショウガールズです。30代のメンバーにとっては“敗者復活”みたいな感覚もあると思います。といっても、頑張るには理由が必要。その理由が賞レースなんです。私もそうですけど、M-1やキングオブコントがなかったらお笑いをやってなかったかもしれない」
最高成績は「THE W」の準決勝進出
メンバーは野中、西尾まう、沢辺りおん、山咲まりな、安森あや那、根本羽衣、東坂みゆ、ゆうな。(。までが芸名)の8人。しかし常に8人でネタをするわけではなく、2人組で漫才をしたりトリオでコントをしたり、グループの中にさまざまな組み合わせのユニットがある。ピンでネタをやることも。
「正式結成前にお試しでライブをやって、その手応えでみんなの本気度が伝わってきました。去年は結成初年度なのに私と西尾の『ショートガールズ』がTHE Wの準決勝まで行けたんです。今年は『燃ゆるレジーナ』のM-1グランプリ3回戦が最高の結果。やっぱり甘くないですけど、来年は組み合わせを変えたユニットでエントリーすることも考えてますね。組み合わせしだいで可能性が広がることもあると思うので」
メンバーには元アイドル、役者、タレント、さらには銀座のホステスも。グループ内のユニットにも多彩な個性があり、さまざまなシチュエーションに対応できるのも武器になる。
「美容系の社員総会に出たこともありますね。美容あるあるみたいなネタもあって」
若手レスラーたちが出演する舞台、女子プロレスの選手による音楽のライブなども手がけてきた野中。プロデューサー気質、裏方気質がありメンバーカラーの衣装に加えオリジナルの楽曲制作も手配した。
「舞台に出てくる時の“出囃子”が既成曲だとYouTubeで流せないので。その曲で踊ることもあります。そうするとアイドル中心の対バンライブでダンス→ネタみたいなこともできる」
今年はショウガールズを会社化し、大手のホリプロコムと提携。そのことでチャンスが巡ってきやすいはずだと言う。
「実は25歳の時から内装の施工会社でも働いてたんです。世の中を知らなきゃダメだと。それで3倍くらい稼げるようになってたんですけど、ショウガールズに人生かけるために退社させてもらいました。でも施工会社で働いた経験がなかったら、ショウガールズを会社にするという発想も出てこなかったでしょうね。お金の流れとか税金のこととか、昔は意識してなかったので」