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フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
元パートナーがライバルに…本人の胸中は? 新星・田中梓沙&西山真瑚が“アイスダンスを決意した日”「すごく心強い競技だなと思います」
posted2023/12/15 17:01
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Sean Gillis
「かなだい」から次の世代へ――。日本でアイスダンスの注目度を急激に高めた功労者の引退は、新星たちによる新たなフェーズの幕開けを意味してもいた。ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へ、フィギュアスケートの未来を担う2組を中心に、その現状と展望をレポートする。《NumberWebドキュメント全2回/前編から続く》
「パートナーサーチ」のサイトで結成
西山真瑚がシングル選手だった18歳の田中梓沙と組むことになったのは、彼女が4月にアイスダンスパートナーサーチのウェブサイトに登録したことがきっかけだったという。ジュニア時代から彼女と知り合いだった西山はすぐに連絡して話し合い、5月に結成を発表した。
田中はなぜアイスダンスに興味を持ったのか。
京都出身の彼女は、シングル時代にキャシー・リードコーチのスケーティングを学ぶグループに参加する機会もあった。「その時にリンクでアイスダンサーが踊っている姿がとても楽しそうで、自分もやってみたいと思いました」。
そのアイスダンサーとは他でもない、このゴールデンスピン杯で競った森田真沙也と、元パートナー來田奈央のカップルのことだったという。
アイスダンスに専念する決意をした理由
21歳の西山は、かつてシングルとアイスダンスの2種目かけもちで競技に出場していた。だが北京オリンピックのアイスダンサーたちを見て、アイスダンスに専念する決意をしたのだという。
「シニアのトップで活躍したいという自分の目標を達成するために、アイスダンスに専念しないとこのレベルに到達できないよな、と思って。そしてもっと上手になれる場所はどこだと思ったとき、モントリオールに行く決心をしました」
二人は今、世界のトップアイスダンサーのほとんどが所属しているといっても過言ではない、アイス・アカデミー・オブ・モントリオールでロマン・アグノエルに指導を受けている。
「世界のトップのダンサーたちと練習できるというのは新しい刺激で、毎日(他のダンサーたちを見て)こういうふうに滑りたいなと思いながら練習しています」