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熊沢重文「20歳でクラシック制覇。平地も障害も強かった名手」
text by
片山良三Ryozo Katayama
posted2023/12/01 09:00
平地と障害の二刀流を貫き通した55歳の熊沢重文騎手が、38年間の現役生活についに別れを告げた。
引退式は京都ジャンプS当日の、11月11日の京都競馬場。4勝をあげている思い入れの深い重賞のタイミングで誘導馬騎乗を披露し、表彰式での花束プレゼンターも務めた。
「誘導馬は優秀でおとなしい馬を用意してもらいました。馬に乗るのはこれが最後だと思うと、ジンとくるものがありましたね」
昨年2月、小倉でのレースで第二頸椎という厄介な場所を骨折。日常生活においても転倒すれば重大な結果を招く可能性がある、という医師の宣告に従って「これ以上、家内に心配をかけるわけにはいかない」と苦渋の決断を下した。