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平地792+障害208=1000勝。48歳の鉄人・熊沢重文。~これもまた、前人未到の記録である~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

posted2016/07/03 09:00

 48歳のベテラン、熊沢重文騎手の通算1000勝は、ダービー当日の裏開催となった京都競馬場。その障害未勝利戦でひっそりと達成された。999勝目からのあと1勝に2カ月半を要したこともあり、恒例の生花の花束の用意が省略されてしまったが、ちょうど昼休みの時間と重なったウィナーズサークルには障害で活躍する騎手などを中心に20人も集まり、鉄人の偉業に花を添える役目が見事に果たされていた。

 騎手の1000勝はJRA史上30人目、現役では13人目。騎手生活31年目、1万4662戦目での到達は決して早いものではないのだが、その中身は驚くべきものがある。20歳でオークス('88年、コスモドリーム)を勝ち、'91年には有馬記念(ダイユウサク)でファンの度肝を抜く大穴をあけるなど、若いうちから華々しい活躍。そのかたわら障害戦にも積極的に参戦して、'12年には中山大障害(マーベラスカイザー)にも勝利した。有馬記念と中山大障害の両方に勝利したジョッキーは、熊沢以外には昭和の昔に2人しかいない。あの武豊騎手(すでに障害免許を返上している)でも、この記録だけはどうにもできないのだ。

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