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「渋野が肩を震わせ泣いていた」渋野日向子(25歳)が悩まされた“職業病”…カメラマンが見た米ツアー2年目の洗礼「“練習熱心”が災いして…」
posted2023/11/28 06:00
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Shizuka Minami
渋野日向子にとって、米女子ツアー2年目は苦悩のシーズンとなった。
今季のトップ10入りは春先の一度だけ。成績だけを見れば、プロ転向後でもワーストとも言える結果に終わった。『CMEグローブ ポイントランキング』では83位となり、上位80名に与えられる来季のフルシード権も逃している。
渋野を悩ませた“ゴルファー職業病”
厳しいシーズンになった象徴として「左手親指の故障」が挙げられる。
異変があったのは、今季メジャー初戦となった4月の「シェブロン選手権」あたり。試合前のプロアマ戦をコンディション不良で棄権し、練習ラウンドでもドライバーを持たずアイアン数本とパターだけで調整した。試合には左の手首から親指にかけてテーピングをして臨んでいた。5月に帰国して出場した「ブリヂストンレディス」、6月の「宮里藍 サントリーレディス」でも左手親指あたりにテーピングをして参戦。いずれも予選落ちに終わった。
実は、左手親指の故障はプロゴルファーの“職業病”とも言われている。バックスイングからダウンスイングに切り替えた瞬間、クラブの重さを受け止めるのが左手親指のため、負荷がかかりやすい。怪我の程度や箇所に違いはあるにせよ、過去にはポーラ・クリーマー(米国)やパク・インビ(韓国)といったレジェンドのほか、男子でも丸山茂樹、松山英樹といった男子プレーヤーも悩まされてきた故障である。
WOWOWの中継レポーターとして米女子ツアーを年間通して取材し、渋野ら日本人選手の奮闘を見守ってきた片平光紀(初代アマチュアランキング1位)も、現役時代に左手親指の故障に悩まされてきた一人だ。