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「すみません…」涙のW杯から1年“格下続き”の2次予選、なぜ守田英正28歳は“本当に意識高く”いられるか「あえて僕はそういう言い方を」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byYohei Osada/AFLO
posted2023/11/25 06:01
森保ジャパンの中盤で安定感を増す守田英正。涙のW杯から1年、彼のコメントは含蓄にあふれている
例えば、北中米W杯予選の始まりを告げるミャンマーとの試合に臨むにあたり、大勢の報道陣の前でこんなことを口にした。
「ミャンマーについては〈格下〉と“あえて”口に出して言いますけど……」
後に、この表現の意図を守田はこう明かした。
「これは日本人らしさ(が表れた発言)なのかもしれないですけど、相手を立てて、例えば『リスペクトを持って、油断はなかったけど負けました』というような言い方をするとしますよね。もしも、それで負けたとしたら(負けたときの理由としては)キレイなものになりますけど……」
相手をリスペクトしたうえで「もう1個上に行かないと」
もちろん、守田は、どんな国の代表もリスペクトしている。ただ、そのうえで、言い訳など作るべきではないと考えている。
「僕らはそんな(*アジアのチームとの試合での敗戦を考えるような)次元ではなくなってきています。もう1個上に行かないといけない。なので、ああいう言い方をしました」
だからだろう。守田は、北中米W杯の出場権のかかったアジアでの戦いの中で、「絶対に負けられない」、「簡単な試合はない」、「予選だから、勝つことが大事」などという表現を使うつもりはない。
今は、こんなことを考えている。
「ただ勝つだけではなくて、出ている課題(を克服すること)だったり、オプションを増やすこと、予選を通して自分たちができることを増やしていきたいです。緊張感のある公式戦の中で、どうトライして、ものにするかが大事になると思います」
もちろん、守田のような意見が出ていることについては、森保一監督も歓迎ムードだ。
「選手からの意見も大切にしていきたいと思います。チームとして何をしないといけないのか、何をすることがベストなのか、コミュニケーションを取った上で、決めていきたい」
だから僕は、あえてそういう言い方をしました
では、守田がそのように考え、発信するのは何故なのだろうか。ライトなファンや一般層からは、“意識高い系”と思われてしまうかもしれない。しかし、そこには明確な理由があった。