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「3年後に結婚したい」藤波辰爾夫妻が振り返る“深夜0時のプロポーズ”…日本初アイドルレスラーの結婚は、会社を揺るがす大騒動だった 

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堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

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photograph by東京スポーツ/アフロ

posted2023/11/22 11:05

「3年後に結婚したい」藤波辰爾夫妻が振り返る“深夜0時のプロポーズ”…日本初アイドルレスラーの結婚は、会社を揺るがす大騒動だった<Number Web> photograph by 東京スポーツ/アフロ

藤波辰爾と伽織夫人。1981年、東京カテドラル聖マリア大聖堂にて

夫人が明かす「ナンパされたんです(笑)」

 当時の大スポといえば、プロレス、競馬、エロが三本柱。読者層は圧倒的に成人男性で若い女性が毎日買う姿はさぞかし奇異に映っただろうが、それだけプロレス、そして藤波に魅せられたのだろう。伽織夫人は“元祖・プロレス女子”でもあったのだ。

「半年くらい後にまた大阪府立体育会館に観に行った時、試合後に弟が私を控室前の通路まで連れて行って、そこで待っていたら藤波が来て、初めて握手をしてもらったんです。そして次に大阪に来た時にまた行って会ったら、『前の大阪も来てましたよね』って憶えてくれてたんですよ。そこで『試合が終わったあと待ってて、ご飯を食べに行こう』ってナンパされたんです(笑)。

 でも、ひとりで行くのはちょっと危ないなと思って(笑)。友達と一緒に『変な人だったらすぐに帰ろうね』なんて作戦を練って行ったんです。でも、話してみたら全然普通だったし、さわやかだったし。それで帰りがけに電話番号を聞かれたんで教えたら、次の日から電話攻勢が始まって、すぐにデートしたんです」

 プロレスの試合では、序盤戦はじっくりとグラウンドで攻めるスロースターターの藤波だが、こと私生活になると、長州力ばりにゴングと同時にハイスパートを仕掛けたようだ。

深夜0時、突然のプロポーズ

 こうして交際が始まった藤波と伽織さん。ほどなくしてお互い結婚を意識するようになるが、女性ファンに絶大な人気を得ていた藤波の結婚は、新日本プロレスに止められてしまう。

「まだ交際してることがバレる前だったんだけど、何かの用事で新日本の事務所に行った時、新間(寿=当時・新日本プロレス営業本部長)さんから『結婚とかそういう話はいっさいダメだからな』って、言われたんですよ。『もし、いたとしても3年待て』って釘をさされてさ。そんな芸能人じゃあるまいしね(笑)。でも、当時のプロレス界で女性ファンが急に増えるというのは初めてだから、会社もちょっと慌てたんじゃないかな」

 それでも藤波は、付き合い始めたその年にプロポーズをしている。「優柔不断」と言われることも少なくない藤波らしからぬこの速攻は、新日本道場の“鬼軍曹”山本小鉄の強烈な後押しによるものだった。

「僕は山本小鉄さんにかわいがられていて、当時、よく家に呼んでもらって食事をごちそうしてもらったりもしてたんですよ。その時、『付き合ってる人はいるのか?』って聞かれたから正直に打ち明けたら、『じゃあお前、いまからここで電話してプロポーズしろ!』って言うの。山本さんはそういう性格だから(笑)。

 しかも、それを言われたのが夜中の12時すぎ。『もう日付が変わってますし、向こうもたぶん寝てると思いますよ』って言ったんだけど、『今しかないから言え!』って言われてね。それで電話をして。『会社から止められているから3年待ってほしいけど、結婚したい』という話をしたんですよ。まあ自分自身まだ凱旋帰国したばかりだったから、結婚はしっかりリングで実績を積んでからという思いもあったんだけどね」

【次ページ】 「3年後の結婚」を待ちきれなかった藤波

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