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W杯惨敗「自分たちのサッカー」から約10年…「シン・自分たち」の日本代表“2つのキーワード”を遠藤航や三笘薫、堂安律の言葉から探る

posted2023/11/20 17:02

 
W杯惨敗「自分たちのサッカー」から約10年…「シン・自分たち」の日本代表“2つのキーワード”を遠藤航や三笘薫、堂安律の言葉から探る<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ドイツなど強豪国からアジアレベルまで。W杯までに多種多様な相手と戦う日本代表に求められるものとは?堂安律らの言葉から考える

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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Kiichi Matsumoto

W杯アジア2次予選ミャンマー戦の勝利で、国際Aマッチ7連勝としたサッカー日本代表。森保一監督率いるチームはカタールW杯を経て、どんな命題をもって向上しようとしているか。キャプテン遠藤航や堂安律、三笘薫の言葉から推測する。

 夢と希望が詰まった現日本代表の生き様(=HOW)がようやくハッキリした。これは、大きな意味を持つ。

 今の日本代表には「W杯優勝を目指す」という目標がある。

 では、そのためにどのようなサッカーをするべきなのか。その方法論(=HOW)に関する説得力は十分ではなかった。

 一応、キーワードはある。「カメレオン」のようなサッカーだ。端的に言うと相手、試合展開によって〈臨機応変〉に戦い方を変えるべきだということ。

 これは確かに、日本がどのように戦うべきかの説明にはなっているのだが、国民全体に浸透した表現とは言い切れない。詳しくは後述するが、国民を熱狂させることも、W杯優勝を成し遂げるためのパワーになるから、今のままでは物足りない。

ブラジルW杯までの熱狂と今を比べると…

 日本代表の歴史をひもとくと、最終的な結果はともかく、国民が熱狂に包まれていた時期はあった。たとえば、2014年ブラジルW杯までの期間がそうだ。

 どんな相手でも「自分たちがボールを支配して、守備を崩していく」こと。それが「自分たちのサッカー」だと本田圭佑を筆頭に選手から発信していた。

 日本代表が常に強者のサッカーをやっていく。そのメッセージはわかりやすく、だからこそ人気が高まり、ライト層のファンにも多くの選手たちの顔と名前、キャラクターが認識されていた(ただ、それがW杯グループリーグで1勝もできずに敗退という惨憺たる結果で終わり、バブルがはじけるかのように人気はしぼんでいくことになったのだが……)。

〈臨機応変〉に戦うべきだと日本代表を構成する監督や選手たちが考えるようになったのは、あの頃と比べて進化していると見て間違いない。それなのに、当時と比べてインパクトで劣るという状況は何とも歯がゆいのではないか。

遠藤航が口にした〈主体性〉というフレーズ

 そんなジレンマに包まれていた矢先のことだった――。

 2026年北中米W杯に向けた予選が始まるタイミングで、キャプテンの遠藤航が語った言葉は、夢や希望を与える無限のポテンシャルを秘めている。

 これからの日本代表におけるキーワードとなりえるもの。それは〈主体的〉というフレーズだ。

 遠藤はこう語っている。

「大事なのは、相手どうこうというよりは、常に自分たちにフォーカスを当ててやっていくところです。親善試合も含めて、自分たちの戦い方として『主体的』がテーマになっています。

 主体的を具体的にどう表現するかというと、プレッシャーのかけ方、ボールの動かし方だったりを相手によって変えてやっていくことで……」

【次ページ】 遠藤が「敵地ドイツ戦での4-1」を例に挙げた理由

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