1年目のブレークからの暗転

　18歳は勢いそのまま、クライマックス・シリーズでもメンバー入り。さらにチームが3位から勝ち上がり進出を決めたソフトバンクとの日本シリーズでは第2戦に「8番・DH」で出場するなど、ポストシーズンで7打数3安打2四球1打点と大ブレークを果たした。しかし、この眩しいスポットライトはその後、細川を苦しめることにもなる。

CS、そして日本シリーズにも出場した1年目　©JIJI PRESS

「ファンの方からの期待も感じていましたし、やらないと、やらないと、という思いが強くなったのかなっていうのはありましたね。2年目以降もうまくいかないことが多くて……」

　プロ2年目は前年の活躍が評価されキャンプ一軍スタートも、開幕は二軍で迎えた。イースタンリーグでは試合ごとに三振を重ね、「明日が来るのが怖いと初めて思った」と漏らしたこともある。夏場は約1カ月間、実戦を離れてバットを振り込む強化期間を設けてひたすら打撃フォームを見つめ直した。

「打てなくなると、明日も打てなかったらどうしよう、また三振したらどうしよう、という気持ちに陥ってメンタルが落ちていました。試合を離れた期間中は（二軍打撃コーチの）嶋村一輝さんがずっと一緒に残ってくれて、ひたすらバットを振り込んでいました。絶対見返してやるぞ、という感じで。素振りやマシン打撃、とにかく数を振りました」

1軍昇格も結果がついてこず…

　ひた向きな努力が実り、プロ3年目からは徐々に結果が出始める。二軍では「4番打者」を任され15本塁打。プロ4年目の2020年には、イースタン・リーグで最多本塁打、最多打点などのタイトルを獲得。順調にステップを駆け上がっているように見えた。

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