「えっ、麻優じゃん」映画の“岩谷麻優役”に感じた運命

　岩谷は“岩谷麻優役”の平井杏奈を絶賛した。

「平井さん、すごく似ていたんですよ。書類選考の時、何百人の中から最初に1枚写真を手に取ったのが平井さんだったんです。そして、2次のオーディションの時、『参加者にインタビューしてみますか』と言われてノリで楽屋に行ったら、平井さんだった。オーディションが終わって、岩谷さん的にはどうですかと聞かれて、『平井さんですかねえ』って答えました。運命っていうやつなのかなあ。なんかもう、普通に似ているんです」

ハロウィンでロッシー小川と棺桶に入れられてしまった岩谷麻優。10月29日、立川ステージガーデン　©Essei Hara

　さらに、平井の情熱が伝わるエピソードも明かしてくれた。

「撮影が決まった後に、『お電話よろしいでしょうか』と平井さんから連絡があって。後日、2人で食事に行きました。そうしたら『ちょっとお聞きしたいことがあるんです。この人とは実際にはどういう関係ですか？　この人はどういう性格で、麻優さんはどう思われてました？　この時の心情は……』って100問くらいの質疑応答。『お前はインタビュアーか』と思いました（笑）。撮影現場にはそんなに行っていないんですけど、みんなから『似てましたよ』という声が届いていた。試合のシーンがあるので会場に行ったら、『えっ、麻優じゃん』って感じで……。勉強しているんだなと感じました」

映画で“岩谷麻優役”を演じる平井杏奈に「運命」を感じたという　©Essei Hara

　岩谷は平井に合わせて髪を切った。試合のシーンでの“吹き替え”があるからだ。さらに平井も岩谷に寄せてきた。結果的に「互いに寄せ合う感じ」になっていたという。

「現場では平井さんが『麻優』で、自分は『岩谷選手』とか『岩谷さん』なんです。『“麻優”が取られている！』って思いました（笑）」

　映画『家出レスラー』は来年5月公開予定だ。“引きこもり”からプロレスラーを志し、“スターダムのアイコン”へと駆け上がった自身のストーリーを振り返って、岩谷はこう口にした。

「自分にとってプロレスは人生そのもの。ただやるしかない。何がそうさせているのかというと、プロレスが好きだから。自分の人生に欠かせないものだから。プロレスは呼吸と一緒なんです」

©Essei Hara