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ソフトバンク最強時代は終わったのか? 松田宣浩がズバリ語る“チーム弱体化”の原因「オリックスと差がついた」「なぜスイッチを入れんのかな」
posted2023/11/13 11:02
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Miki Fukano
この男の笑顔は、「微笑む」より「ニカッと笑う」の表現が合っている。本稿のインタビュー当日、写真撮影の終盤に「熱男ポーズを」とお願いされると、「結局それやん! じゃあ今まで撮ったやつ絶対使わないでしょ」と“苦言”を口にしながら、次の瞬間には100点満点の熱男ポーズをばっちり決めてくれた。
「これは?」
さらに頼まれていないポーズまで自ら作って、またニカッと笑顔になる。
だから松田宣浩に初めて会った人は大抵その場でファンになって帰っていく。実績だけでなくそんな人柄を持ち合わせるからこそ、現役引退直後の今秋からニュース番組のスポーツコーナーやポストシーズンの試合中継のゲスト解説など連日引っ張りだこだ。
「ユニフォームを脱ぐと野球の見方が変わりますよね。すごく気持ちがフラットというか、日本シリーズはどちらのチームも頑張ってほしいなという思いで、1人の野球ファンとして見ています」
とはいえ、やはり自分が袖を通したユニフォームを見れば多少なりとも血がたぎる。
「王者=ソフトバンク」は終わったのか?
松田自身が「悔いは何もない」と断言する18年間の現役生活。その中で誇れることの1つが豊富な優勝経験だ。ソフトバンク時代に6度のリーグ優勝、7度の日本一を味わった。
「本当に強いチームだったと思います。1回も優勝を経験することなくユニフォームを脱ぐ人も多い。1回でも優勝するのは難しいことなのに、こんなに多く経験させてもらった。幸せやったな~」
強打の三塁手として黄金期を戦い抜いた経験者に、現在の古巣はどのように映るのか――そう水を向けると、松田の口からは愛の込められた叱咤の言葉が次々と飛び出すのだった。