メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
大谷翔平が思わず「失礼ですね(笑)」と返した質問って?「(野球選手は)仕事だという感覚ではない」やっぱりスゴかった独自の“仕事論”
text by
斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byGetty Images
posted2023/11/16 11:01
ベンチで楽しそうに笑う大谷翔平。活躍の裏には、誠実な「仕事論」があった
人を感動させるために野球をやっているわけではない
周囲の人の意見によって自分のやりたいことを決めることはない。それは、最終的には自分で決めるもの。強い者に憧れ、それを目指す――。そして世代をつなぐ思いは、日本の野球少年だけに限らない。世界的にも影響力のある大谷はWBC期間中、他国から最も注目される存在だった。
「台湾だったり韓国だったり、今回は残念ながら予選で負けてしまったと思うんですけど、僕らが勝っていって優勝することによって『次は自分たちだ』と、そういう気持ちになるんじゃないかなと思いますし。その2カ国だけじゃなく中国もそうですし、まだまだ可能性があると思いますし、そのためにも、やっぱり勝ちっていうのは大事かなと思います」
「日本だけじゃなくて韓国もそうですし、台湾も中国も、その他の国も、もっと野球を大好きになってもらえるように。その一歩として優勝できたことがよかったし、そうなってくれることを願ってます」
人は誰かに憧れる気持ちから努力を重ね、強くなる。そして目標や夢を掲げる。他人に言われて抱いたり、設定したりするものではない。また、人を感動させるために大谷は野球をやっているわけでもない。とにかく懸命にプレーし、諦めることなく勝利を目指す。その姿を見た人がどう感じるか。感動を押し付けることは、大谷にとって「仕事」でも「使命」でもないのだ。
《「あふれるエ軍への愛情」編に続く》