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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「なぜイチローの出場が増えないのか…」結果出しても“なぜか”ベンチ、漏らした本音…それでもジーターが驚いた“試合がない日”のイチロー
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byNaoya Sanuiki
posted2023/11/06 11:06
2012年シーズン途中から2年半にわたってヤンキースでプレーしたイチロー
その代わりというわけではないだろうが、試合前にいつもロッカーの前でストレッチをしているイチローには、地元ニューヨークの記者が誰かしら寄っていって話しかけることが多かった。
子どもの声「イチローに会いたい」
地元記者だけではなく、他にもさまざまな人が声をかけにきた。テレビ局の全米中継で有名な解説者が近づく。
「ハイ、イチ、 元気かい?」
そう声をかけていくこともあったし、球団のビジネス部門の幹部がゲストを連れてくることもあった。ヤンキースのビジネス部門は強力で、特にシーズンチケットの販売に力を入れており、高額なシーズンチケットを毎年のように購入しているVIPクラスの顧客は試合前のクラブハウスに案内され見学できるという特別待遇を受けることもある。そんな顧客たち、特に小さな子供連れが見学に来たときはやはりイチローに会いたがり、対面してサインをもらうと本当にうれしそうにしていた。球団のビジネス部門は、イチローが持つスターパワーの恩恵をずいぶん受けていたと思う。ヤンキースという人気名門球団の中でも、その威力は絶大だった。
だが先述したように、チーム内では4、5番手の外野手という位置づけだった。
スタメン激減…漏らした本音
ヤンキース3年目の2014年は開幕から2試合連続で出番がなく3戦目にようやくスタメンの出場機会が巡ってきたが、その2日後にはまたスタメンを外れ、スタメン復帰したかと思うと、それから3日連続で9回の守備固めで出場。そんな起用がシーズンを通して続き、この年は143試合に出場してスタメンは95試合。大幅に出番が減った2013年と比べてもさらに出番が削られた。