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「なぜイチローの出場が増えないのか…」結果出しても“なぜか”ベンチ、漏らした本音…それでもジーターが驚いた“試合がない日”のイチロー

posted2023/11/06 11:06

 
「なぜイチローの出場が増えないのか…」結果出しても“なぜか”ベンチ、漏らした本音…それでもジーターが驚いた“試合がない日”のイチロー<Number Web> photograph by Naoya Sanuiki

2012年シーズン途中から2年半にわたってヤンキースでプレーしたイチロー

text by

水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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photograph by

Naoya Sanuiki

 10年前、イチローはニューヨークで2年目のシーズンを終えた。38歳で移籍したヤンキース時代の背番号は51でなく31。「日米通算4000安打の達成」「出場機会の大幅減」「結果を出せど変わらない状況」……栄光と苦悩に包まれたヤンキース時代を取材した「イチローの真実」。〈全2回の#2/#1へ〉

 ヤンキースタジアムには、試合前のイチローの練習を見に来るファンも大勢いた。打撃練習中の外野のフィールドでイチローが打球をキャッチし始めるとライトスタンドにファンの人だかりができた。そのファンの目前で背面キャッチを披露すると、球場に響き渡るほどの大歓声が上がった。ファンが盛り上がれば1度の練習で何度も背面キャッチをして見せる日もあり、そのたびに沸いた。それはイチローにとってもヤンキースファンにとっても、幸せな時間だったに違いない。

 イチローの存在はヤンキースにとって貴重でもあった。

メディアを避けていたジーター。対してイチローは…

 試合前のクラブハウスに行くと、ロッカーの前にいつもイチローがいた。ヤンキースに入団してからしばらくはそこでヨガマットを敷いてストレッチをするのが日課だった。

 生え抜きスターであるジーターは、辛辣なニューヨークのメディアとは友好的な関係だったとはいえず、そのせいかクラブハウスが報道陣に開放される時間帯にその場にいることは少なかった。A・ロッドもそれは同じで、2011年には不法ポーカーに参加した疑惑が浮上して騒がれ、2013年には禁止薬物の使用疑惑が浮上するなどスキャンダルも続いていた時期だったため、余計に報道陣を避けていたふしがあった。しかもこの当時はジーターとA・ロッドの不仲説が根強く噂されていた時期で、チームメートでありながらこの2人がクラブハウスで一緒にいるところや会話を交わすところはほとんど見たことがない。ジーターやA・ロッドに話を聞く機会を狙っているであろう地元の記者たちは、なかなか思うようにいかないのが現状だった。

【次ページ】 子どもの声「イチローに会いたい」

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