日本ハムと話し合い

「3位でかからなかった時点で社会人だなとは思っていましたけど、それでも悩みましたね。6位でかかって、あの時すぐにどっちと言われたら答えは出せませんでした。日本ハムの関係者の方に資料をいただいて、面談みたいな形で球団の中がどうなっているのかとか、プロと社会人の違いだったり、色々とお話を伺わせていただきました」

　周囲には「プロに行ける時に行った方がいいんじゃないか」とアドバイスしてくれる人も少なからずいた。ドラフト当日、社会人入りで10割固まっていた気持ちは「社会人7、プロ3」まで揺れ動いていた。それでも、最後は初心を貫き通した。

言ったことを曲げたくない

　指名から20日が経過した11月9日。山口さんは、大阪・茨木市内にある履正社高校グラウンド内の施設で、日本ハム関係者と初交渉を行った。指名あいさつに続く2度目の接触で、正式に断りを入れ、JR東日本へ進む意思を伝えた。

「プロはやっぱりみんな憧れるところだと思います。でも、実際にJR東日本の練習に参加して、見て感じた社会人への興味が強かった。その時自分が感じたことや、言ったことに対して、そこは曲げたくないなという感じで決めました」

　山口さんの選択に、周囲も騒がしくなっていた。

　＜続く＞

#2に続く

日本ハムがドラフト6位指名もJR東日本へ…“最後の指名拒否”山口裕次郎は駅員になった　本人が明かす、その後の野球人生「どれが正解か分からなくなって…」