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「すみません、この話をすると…(涙)」スポンサーのはずが今や熱いサポーター 浅田飴とトリニータの幸せな関係
posted2021/12/18 17:03
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
J.LEAGUE
永六輔が「せき、こえ、のどに……」と言っていたCM以来である。この1年間で“あの企業”の名前をこんなにも多く耳にしたのは。
大分トリニータのファンやサポーター、Jリーグを熱心にチェックしている人だったら答えが分かるかもしれない。
浅田飴だ。
大分はかつて若き日の西川周作、森重真人、清武弘嗣、金崎夢生らを擁して2008年にナビスコカップ優勝を果たした。しかしその後経営難に陥ってJ2降格。そして2015年にはJ1経験クラブとしては初のJ3降格を経験した。
それでもチームは片野坂知宏監督が就任してから、V字回復を果たす。1年でJ2復帰を果たすと、就任3年目の今季は大混戦となったJ2リーグで2位。2013年以来となるJ1復帰を決めた。
そんな片野坂監督の情熱に魅せられ、2018年途中からトリニータのスポンサー企業となったのが浅田飴。そのきっかけはSNSだった。
SNSがきっかけでスポンサー
いきさつについて簡単に説明すると、片野坂監督はテクニカルエリアで声を振り絞って選手に指示を送るため、声がガラガラになってしまいがちだった。それを受けて8月中旬、ある大分サポーターがツイッターで“ぜひ浅田飴さんに監督ののどを守ってほしい”という趣旨のつぶやきをしたところ、浅田飴の公式ツイッターアカウントが反応してJリーグサポーターを中心に拡散した。
その縁もあって同社の商品をトリニータ側に送ったところ、翌週の第30節・徳島ヴォルティス戦で片野坂監督が浅田飴薬用のど飴(指定医薬部外品)の缶を手に指示する写真がまた拡散したのだ。気づけば9月にはスポンサー契約を締結。その勢いに乗ってトリニータはJ1昇格……というSNSが発達した今ならではの“ほっこりエピソード”となった。
そんな数奇な縁と、昇格が決まった喜びについて聞いてみたい。そう浅田飴に問い合わせたところ、二つ返事でOK。さっそく会社に向かった。