ところが林下が負傷欠場。QQでパートナーが決まっていない妃南は学生だから出られない大会があり、リーグ戦は難しかった。結局、他に欠場者が出たこともあって一部チームがシャッフルされ、レディは壮麗亜美と組むことになった。壮麗は同年デビューだが他団体の出身。レディが獲れなかったフューチャーのベルトを巻き、タッグ王者も経験している。 レディにしてみれば組むというより追い越したい存在だろう。タッグリーグ開幕に向けた記者会見でも、納得のいかないような表情を見せていた。

タッグチーム名は「令和東京タワーズ」

　だが177cmのレディと170cmの壮麗による長身タッグは魅力十分。チーム名も「令和東京タワーズ」と大きく出た。ちなみに昭和の元祖・東京タワーズはジャイアント馬場と坂口征二のタッグだ。

　キャリア3年同士のタッグは大物食いを狙いたい。1人では勝てない相手も2人でならということもある。レディも「案外、目指すところは一緒かもしれない」と言う。10月15日の開幕戦ではもう一つの大型タッグ、舞華＆メーガン・ベーンに敗れたが堂々とした闘いぶりだった。それこそ“化ける”可能性を感じさせた。偶然から生まれたタッグも、決して悪いものではない。

　欠場から復帰して、まず感じたのは「プロレスは楽しい」ということだった。これまではひたすら試合と練習の繰り返し。ガムシャラにやるだけだった。しかしこの夏、リングから少し離れることで、プロレスについてじっくり考えることができた。ジムでエアロバイクを漕ぎながら、望月成晃やTAJIRIの著書などプロレス関連の書籍を読み込んだそうだ。

「今までの自分は、必殺技を早く出そうと焦ってましたね。でも大事なのはフィニッシュに至るまでの過程なんです。攻撃を積み重ねて、相手にダメージを与えた先にフィニッシュ技があるので」

知的でダイナミック…レディ・Cの可能性

　レスラーとしての個性、キャラクターも考えなくてはいけないと言う。今までは、簡単に言えば「背が高くて一生懸命」。そこにプラスアルファがほしい。それも嘘のないものが。 

「TAJIRIさんの本によると、キャラクターというのは自分の長所だけじゃなく嫌いな部分から出てくることもあるそうなんです。私はまだまだ自分を見つめる作業が足りてなかった」

　吏南とのタイトルマッチに向けた会見では、パワーポイントを使って過去の対戦成績を表示。決して自分が不利ではないことを示した。知的、真面目、理詰め。私服の時は眼鏡が似合うイメージだ。技巧派レスラーに向いているのかもしれない。一方で長身を活かしたダイナミックな攻撃も魅力だ。キャラクターが固まっていないのは、可能性が限定されていないということでもあるだろう。

「今回のタッグリーグで誰と組んでも、自分を出していきたい。それは変わらないです」

　そう語っていたレディ・C。“約束の3年”を迎えた時、リングの中でどんな自分を見つけているのだろうか。