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前田健太(35歳)が迎える“初めてのFA”「総額45億?」考えられる契約オファーは…チーム選択を左右する「先発希望」と「200勝」問題 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2023/10/17 11:04

前田健太(35歳)が迎える“初めてのFA”「総額45億?」考えられる契約オファーは…チーム選択を左右する「先発希望」と「200勝」問題<Number Web> photograph by Getty Images

8年契約が満了となり、初のFAとなる前田健太

35歳で迎える「人生初のフリーエージェント」

 契約を満了したことで前田には新たな道が開かれた。35歳にして野球人生初のフリーエージェントだ。彼は素直な胸のうちを明かした。

「僕、人生で初めてフリーエージェントになるんで、正直不安もありますし、楽しみもありますし、寂しい気持ちもあります。自分が来年どこでプレーするかわからない状況は初めてです。難しい部分はありますけれど、一生懸命自分を高められるようなオフシーズンにしたい」

 前田ほどの選手であっても「不安」はあるのか。ネット裏からメジャーを取材する立場から見れば、前田に新たな契約オファーが届かないはずがない。選手心理とはそういうものなのか。彼は言った。

「フリーエージェントというのはオファーを頂かないと僕たちはプレーできないので、オファーしていただいたところで考えるしかない。1チームしかなかったらそのチームで頑張りますし、もし複数球団オファーをいただけるのであれば、オファーをいただいた中でしっかり考えたい」

「総額約45億円?」考えられる契約オファー

 彼の実績、現時点での力、そして年齢、すべてを考慮した上で前田にはメジャー球団からのオファーは必ず届くだろう。マーケットとしては『先発4番手、もしくは5番手』になるため契約は年を超える可能性があるが、契約レンジとしては『2年契約+3年目は球団オプション、総額は3000万ドル(約45億円)』ほどか。一部では来年4月に36歳を迎えることを不安視する声もあるが、彼の投球スタイルからすれば問題にはならない。前田自身も先に「楽しみもある」と語ったように手応えは感じとっている。

「体がね、限界だったらもしかしたらアレですけど、肘も手術しましたし、正直、肘はね、もう完璧な状態に戻ったと思うんで、まだまだ投げられると思いますし。20代とあんまり変わりを感じない体なんで。むしろ良くなってると思うんで(笑)」

 こんな数字がある。6月以降、17試合に先発した彼は6勝4敗、防御率3.61の成績を残した。これは『シーズン11勝』ペースに相当する。また、右肩がりでシーズンを終えることはメジャーで最も評価されることのひとつだ。来季以降も『メジャーリーガー・前田健太』を疑う余地はない。しかも彼にはスコット・ボラス代理人も控えている。

【次ページ】 チーム選択を左右する「先発希望」と「200勝」

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