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テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「ショウヘイから“2本目打って”」大谷翔平は最後まで仲間と笑顔だったが…番記者が気になる“憶測記事の頻発”「次の肉声はMVP、もしくは」
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byJIJI PRESS
posted2023/10/11 11:01
レギュラーシーズン最終戦後、カメラマンの密着に笑顔の大谷翔平
例えば、21年シーズン終盤に大谷が「ヒリヒリする9月を過ごしたい」「このままでは勝てない」「勝ちたい」と発言したことで、波紋が広がったことは記憶に新しい。それ以降、プレーオフ常連の強豪球団への移籍可能性がずっと取り沙汰される契機となったからだ。
FAとなるこのオフの移籍予想も、本人が発信しない限りはそうなってしまうだろう。とはいえ、強豪球団移籍の可能性の根拠はこの発言だけ。あれから2年。自身が今、どう思っているかは大谷しか分からず、発言の真意も伏せられたままだ。
その他にも17年オフに27球団が参加したとみられる、大谷争奪戦の時の報道も象徴的だった。大谷はエンゼルス入団を決断した理由について「縁みたいなものがあると感じた」「感覚的なもの」と説明しているが、それ以上、具体的な説明はなかった。
当時、よく報道されていた「西海岸の温暖な気候」や「日本選手の有無」などには触れず、その後も具体的な説明はない。大谷とエンゼルスの交渉中に、主砲トラウトが電話でラブコールを送ったことが有名なエピソードだ。しかし、ドジャースはエース左腕カーショーが、ジャイアンツは当時の正捕手ポージーが交渉に同席した。なぜエンゼルスなのか。筆者を含めて説明できるメディアはいないのではないだろうか。
大谷の次の「肉声」はいつになるのか
エンゼルス広報部によれば、次の大谷の「肉声」はアメリカン・リーグMVPを受賞した場合のカンファレンス・コール(電話会見)か、チームとの再契約時、もしくは移籍先の入団会見ではないかという。
大谷はどういった経緯で手術を決断したのか。打者に専念する来季、そして二刀流復活を目指す25年に向けて、どう歩みを進めているのか。今はただ大谷の思いを聞きたい。一メディアとして、一野球ファンとして、その時を待ちたい。
<第1回から続く>