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テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「ショウヘイから“2本目打って”」大谷翔平は最後まで仲間と笑顔だったが…番記者が気になる“憶測記事の頻発”「次の肉声はMVP、もしくは」
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byJIJI PRESS
posted2023/10/11 11:01
レギュラーシーズン最終戦後、カメラマンの密着に笑顔の大谷翔平
今季最終戦の10月1日のアスレチックス戦も球場に姿を見せて、ベンチ入り。大谷は勝利を見届けるとグラウンドに飛び出し、左手でナインとグータッチ。その後はクラブハウスに戻り、左手にゴルフクラブのパターと黒バットを持った軽装で、バリア、グリチェク、ネトなどナイン、球団スタッフとハグや握手を交わし、別れを惜しんでいた。
この日、レンジャーズ・ガルシア、ヤンキース・ジャッジらライバルは不発に終わり、日本選手初の本塁打王が確定。日本選手の主要打撃タイトル獲得は、04年に2度目の首位打者となったイチロー以来19年ぶり2人目。21年に続く2度目のア・リーグMVPも確実視されるが、パワーで世界のトップに立つ本塁打キングは、歴史的快挙だった。
「お疲れ様でした!」と大きな声で別れを告げて
大谷は球団広報を通じ「MLBでこれまで活躍された偉大な日本人選手たちのことを考えると大変恐縮であり光栄なことです。この目標を達成するのに協力してくれたチームメイト、コーチングスタッフ、ファンに感謝します」とコメント。SNSには「打者としてリハビリから頑張ります。今までよりも強くなって戻ってこられるように、ベストを尽くしたい」と決意を記した。
最後はトラウト、フィリップスとカートに乗り込んで駐車場に向かい、報道陣に向かって「お疲れ様でした!」と大きな声で別れを告げた。水原通訳が運転する車で帰路に就き、集まっていたファンからは「SHOHEI!」「(本塁打王)おめでとう!」などと歓声が飛んだ。
大谷は10勝目を挙げた8月9日のジャイアンツ戦を最後に、メディアに話すことはなかった。二刀流でシーズンを完走できず、右肘の手術を決断した際の悔しさや、苦悩、葛藤は想像を絶する。メディアに話したくない心情は理解できる。再契約を目指すエンゼルスが大谷のその意向をできるだけ尊重したいという面もあっただろう。
“憶測による記事”が頻発するのは良くない傾向
一方、本人が発信する頻度が少なくなったゆえに“憶測による記事”が頻発しているのは良くない傾向と言える。