テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER

「ショウヘイから“2本目打って”」大谷翔平は最後まで仲間と笑顔だったが…番記者が気になる“憶測記事の頻発”「次の肉声はMVP、もしくは」

posted2023/10/11 11:01

 
「ショウヘイから“2本目打って”」大谷翔平は最後まで仲間と笑顔だったが…番記者が気になる“憶測記事の頻発”「次の肉声はMVP、もしくは」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

レギュラーシーズン最終戦後、カメラマンの密着に笑顔の大谷翔平

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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 大谷翔平の所属するロサンゼルス・エンゼルスはレギュラーシーズンを戦い終えた。そのラスト2試合、スタジアムに姿を現した背番号17と球団の動静を、取材歴10年目の番記者が記した。《全2回の2回目/第1回からつづく》

 ボールボーイのスティーブ・パルド氏が運転するカートに乗って、大谷翔平は水原一平通訳とともに姿を現した。歓声の上がる中で撮影した写真をすぐ確認すると、大谷の右腕はギプスで固定され、包帯のようなものが何重に巻かれていたのが分かった。

左腕の傷跡と、MVP選出での拍手

 注目はコーヒーカップを手にしていた左腕だ。

 左前腕の腱を移植した手術痕らしきものや、紫色に変色した皮下出血の痕があった。2018年の右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)では、右手首の腱を移植したが、今後右肘を支えるための生々しい左腕の傷痕だった。

 最後にベンチ入りした9月17日以来13日ぶり、19日の右肘手術後初めての公の場。アスレチックス戦開始16分前の午後5時51分、赤い長袖パーカ姿の大谷はアナウンスで名前が呼ばれると、三塁ベンチからグラウンドに飛び出した。3年連続の球団MVPに選出されると、本拠地のファンの大歓声と温かな拍手に迎えられた。表彰式ではペリー・ミナシアンGMからトロフィーを受け取り、関係者と左手でグータッチを交わすなど、リラックスした表情を浮かべた。

 その後は同GM、ジョン・カルピーノ球団社長、フィル・ネビン監督、リーグ4位タイ31セーブでチーム最優秀投手に選ばれた守護神エステベスとともに記念撮影。場内アナウンスで再び名前が呼ばれ、スタンドの声援が大きくなると左手でトロフィーを掲げ笑顔を見せた。

本塁打王確定…同僚やスタッフともハグ

 試合をベンチで観戦した後の取材対応はなかった。正確に言えば、ネビン監督の会見後に開場するクラブハウスに入ると、大谷は既に帰路に就いた後だった。

 ネビン監督は、大谷について「1日中笑顔だった。元気そうだったし、チームメートと会えてうれしそうだった」と話した。7回に14号2ランを放ったオハピーは「9回の打席前に“2本目を打って”と言ってきた」と変わらない大谷の姿を明かした。ギプスで固定された右腕は曲がったままでも、大谷の笑顔はいつもと変わらなかった。

【次ページ】 「お疲れ様でした!」と大きな声で別れを告げて

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