「本当に、クロスボールが全てというゴールでした。『あそこに来れば、入る』というところに出してくれた。あのクオリティのボールを出せる選手はなかなかいない。エストゥピニャンに感謝ですね」

「（記者：ブライトンでエストゥピニャンと左サイドでコンビを組んできたが、あの柔らかいボールがドンピシャのタイミングで来たのは、2人の連係の成果でもあるのでは？）　僕がサイドで張っているときは、エストゥピニャンは我慢して後ろにいるんだと思う。（自分が）中央部に入った時に、あのようなクロスが大外から上がったということは、僕がもっと中に入っていかないといけないということ。実際にそれが良い形になったので、これからも増やしたいと思います」

「彼の体格なら受け止めてくれるかなと（笑）」

　2点目を決めると、三笘はタッチライン際でアップ中のDFイゴールにジャンプして飛びついた。「イゴールに抱きついたのは、なにか特別な理由でもあったのか」。そう聞いてみると、三笘は記者陣を再び笑わせた。

「いや、なんもないっすよ。あそこにいたんで、まあ彼の体格なら受け止めてくれるかなと（笑）」

　ブラジル人のイゴールは、身長185センチ、85キロのCBだ。今夏の移籍市場でフィオレンティーナから加入した25歳DFは、上半身がまさに筋骨隆々。たしかに三笘が飛びついても問題なさそうだ。

　ただ日本代表は浮かれることなく、自身の足元もしっかりと見つめていた。ボーンマス戦で2ゴールを挙げ、今季プレミアでの記録を3ゴール、3アシストに伸ばした。「好スタートを切ったのでは？」と聞いてみると、表情を引き締めた。

「悪くはないですけど、もっと取れると思います。今日2ゴールとってなかったら、そういう風には言われてないと思いますし。もう全然、全然満足はしてないです」

　チームは開幕6試合で5勝1敗。勝ち点を15に伸ばし、順位を3位に上げた。もちろんまだ始まったばかりで順位に大きな意味はないが、開幕ダッシュに成功したブライトンの中心に三笘がいるのは間違いない。

　プレミア挑戦1年目となった昨シーズンを思い返すと、ちょうど今頃はレギュラー奪取を目指して奮闘していた頃。だが今季は違う。チームの中核としてスタートし、さらにどこまで高みに行けるかと、これまで以上に大きな期待を抱いてしまうのだ。