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高校時代の通知表は“オール5”「勉強よりバレーボールの方が難しい」マジメすぎるセッター関菜々巳(24歳)のお悩み相談
posted2023/09/22 17:03
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Yohei Osada/AFLO SPORT
たかが1点でも、1本でもない。
関菜々巳(24歳)にとって、そのバックアタックは前夜からの流れを払拭した、大きな1本だった。
「思考がクリアじゃなくて、ぐちゃぐちゃしていたんです。でもあの1本、バックアタックが決まった瞬間に、相手のブロックも見えた。あぁよかった、ってホッとしたし、あそこから自分のリズムがつかめた感覚でした」
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開幕から4連勝を飾ったブルガリア戦。結果こそ“4試合続けてのストレート勝ち”だが、序盤の主導権はブルガリアにあった。
関の言う“あの1本”は、第1セット、13対12から古賀紗理那(27歳)がコート中央から放ったバックアタックだ。関と同様に「流れが変わった」と話した古賀は、そのシーンをこう振り返った。
「そこまでなかなか決まらなくて、関も私もフラストレーションがたまっていました。ここまで関もいろんなことを悩んでいたので、1セット目はとにかく関の頭を整理させることをずっと意識していたので、あの1本で流れも来たし、吹っ切るきっかけになりました」
司令塔の“頭を整理させる”必要性。理由は、前日のプエルトリコ戦にあった。
リードを許し、告げられた“交代”
第1セットを先取した日本は第2セットも9対7と先行したが、そこから連続失点を喫し、9対11とプエルトリコに2点のリードを許していた。そこで眞鍋政義監督は、関に代えて松井珠己(25歳)を投入する。その後、松井がレフトからの攻撃を活かして試合を立て直し、「勝ち点3」を得られるストレート勝ちを収めた。
上位2チームのみが出場権を獲得できる五輪予選。何より勝利が大事とはいえ、開幕からスタメンセッターで出場してきた関はどう受け止めているのか。勝利の立役者となった松井が記者に囲まれる後ろを遠慮気味に歩きながら、ミックスゾーンに関が現れる。苦笑いを浮かべながらも、明るい表情で、結果を受け止め冷静に分析していた。