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浅田真央32歳が“トリプルアクセル”に再挑戦!「キックボクシングやってみたいですね」 第3弾アイスショー構想と共に明かした“夢”
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto
posted2023/09/21 17:01
準備期間を含め2年にわたる全国ツアー『BEYOND』を終えた浅田真央さんが、第3弾となる新たなアイスショーの構想を語った
「ああ!『オペラ・オン・アイス』は素敵ですよね。日本にもそういう所があったら、やってみたいです。京都の神社の前で行われるバレエなどもありますし、日本ならでは、といえる場所を使うアイデアは素敵だなと思ってみたりもしますが、そこに氷を張るのは難しそうですね(笑)」
やはり屋外での公演は難しさもあるようだ。では音楽アーティストの生演奏とのコラボレーションはあるのだろうか。『BEYOND』では、ピアニストの辻井伸行さん、三浦舞夏さん、ヴァイオリニストの三浦文彰さんの生演奏で演技する特別公演があった。
「生演奏はすごく良いなとは思っています。私達もなかなか生演奏で滑ることがないので、滑っていて心地よかったです。お客様にとっても生演奏を聞けるのは贅沢な空間になりますよね」
スケート以外の芸術から得るものは大きい
次の公演に向けて、まずはインプットから始めるという。
「まずは色々な舞台を見たいと思っていて、9月はアルゼンチンとアメリカに行ってきます。アルゼンチンではタンゴを、ニューヨークではミュージカルを、ラスベガスではシルク・ドゥ・ソレイユなど。本場の舞台を見て、色々なことを感じ取ってきたいです」
スケート以外の芸術やエンターテインメントから得るものは大きいという。
「『BEYOND』の時も、『シェヘラザード』や『白鳥の湖』などは、クラシックバレエの舞台をとても参考にしました。バレエの公演の映像を見ながら、アイデアを考えていくことで、白鳥の湖もシェヘラザードも、本当に納得いくものに仕上がったと思います。『BEYOND』で終わるのはもったいないくらい。嶺君も大千秋楽のときに『これで終わりにしたくないね』と言ってくれたので、いつかまた再演したいなという気持ちです」
ロシアでは、「くるみ割り人形」や「白鳥の湖」などバレエ演目ごとに催行するアイスショーがあるが、そういったアイデアはあるのだろうか。
「1つのバレエ演目でアイスショーというのは、まだ勇気がないです。バレエの舞台は、バレエのファンの方々がストーリーや演目をよく理解していて、クラシックバレエの美しさと音楽を楽しむもの。どの場面を切り取っても美しく、それはバレエにしかない魅力。クラシックバレエの方々がやるのが一番素晴らしい作品だと思うので、私がスケートで『白鳥の湖』全幕やる、というのは勇気がないですね。バレリーナの方々への敬意もありますし、やはりバレエは観に行く立場でありたいです」
浅田さんが考えるアイスショーのアプローチは、バレエをそのままスケートで表現するというものではないという。