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野ボール横丁BACK NUMBER
“猛暑なのになぜ長袖?”甲子園の高校球児「じつは441人中205人が長袖だった」高校野球の新常識「敵は太陽の光…“着るエアコン”ブーム」
posted2023/09/16 17:04
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Naoya Sanuki
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「441人中205人が長袖だった」
――夏は春に比べると、そこまで新商品が出回りませんが、今大会、見た目にいちばん変化を感じたのはどこでしたか。
星徹弥(以下、星) 長袖ですね。全49代表の初戦の先発メンバーを調べたら、441人中、205人が長袖でした。ピッチャーに関して言うと、49校中44校が長袖。準決勝の土浦日大と慶応の試合にいたっては両チームのスタメンは全員、長袖でした。あの光景はシビれました。太陽の光を避けるために夏場でも長袖が常識という時代が、もうすぐそこまで来ているのを感じますね。
――また、細かいところを調べてきましたね。
星 夏でも長袖を着用する選手は着実に増えていましたが、ここまで多くはなかったと思います。シェアでいうと、やはり「着るエアコン」という名コピーを生んだオンヨネのハイグレーターがまだまだ強い印象です。5000円前後と、アンダーシャツとしては高価なのですが、それだけの価値があるということだと思います。「本当に長袖を着ているのかな?」というくらい涼しいですから。昔の長袖アンダーシャツというとピタッとしていて、汗の逃げ場がなかった。でもオンヨネは適度に緩くて、速乾性がある。さらに着心地も抜群なんですよ。建築現場の作業員の方とかにも人気があるんですよね。
「慶応はユニフォームまで着替えるの?」
――私もオンヨネの担当者に話を聞いたことがあるのですが、もともとは冒険家の関野吉晴さんのリクエストで開発された生地だったそうですね。冒険中は、暑いところにも寒いところにも行き、風呂やシャワーとも無縁の生活なので「暑くもなく、寒くもなく、着替えなくていいものをつくってほしい」と。