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<甲子園決勝対談>森林貴彦(慶応)×須江航(仙台育英)「丸田君の打席で慶応の応援歌、歌ってましたよ」「大村君の人柄、好きになりました」
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/09/14 11:02
左から慶応義塾・森林貴彦監督、仙台育英・須江航監督
須江 個人のスキルとかフィジカルを上げると同時に、チームの完成度も高めていく必要があるんですけど、この“完成度”の正体って、選手がストレスフリーでプレーできるかどうかなんです。監督がサインを出す前から、「この場面なら練習でもやってきて成功率が高いから、あの作戦でしょう」と選手が自信を持てるプレーが、本当の意味でのセットプレーかなと思います。
森林 おっしゃる通りで。選手が「ここはエンドランだよね」「ここはスクイズ。1点が欲しい場面だから」と納得できるサインが理想です。選手の意見を監督である私が集約して、「代表してサインを出します」くらいでいいと思っています。
須江 たまに監督は根拠があって出しているのに、選手が「え?」と困惑するサインもあるんですよ。そういう時でも、「それ面白いですね」って反応してもらえるような関係でありたいですね。
――今年の夏の甲子園で、選手との意思疎通を図れたプレーを挙げるとすれば?
須江 3回戦・履正社戦の勝ち越しスクイズです。先頭バッターのツーベースから、送りバントで1アウト三塁。あれは全員が「2球目にスクイズのサインが出る」って確信していましたからね(笑)。
森林 それは素晴らしい。うちは3回戦・広陵戦の守備です……
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