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「痛っ、最悪やあ」右手小指があらぬ方向に…源田壮亮がいま明かす、WBC“あのケガの真相”「レントゲン写真を見た瞬間、先生があれ?って」 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byYuki Suenaga

posted2023/09/05 11:03

「痛っ、最悪やあ」右手小指があらぬ方向に…源田壮亮がいま明かす、WBC“あのケガの真相”「レントゲン写真を見た瞬間、先生があれ?って」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

埼玉西武ライオンズ、源田壮亮選手(30歳)。WBC優勝から約半年、あの右手小指骨折の真相を明かした

 韓国に3点先制を許した直後の3回裏の攻撃。先頭打者として打席に入った源田は8球粘った末に四球を獲得。続く中村悠平(東京ヤクルトスワローズ)の打席では盗塁を決めチャンスを広げた。しかし、その直後、投手からの二塁牽制球にヘッドスライディングで戻った際、右手を痛めたのだ。相手のタイムの間に一旦ベンチに戻り、走塁用手袋を外すと、源田は現実を悟った。

「手袋を外してみた時に、これは突き指じゃないな、と。指があらぬ方向に? そうですね。見てすぐにわかりました。最悪やあ、って……」

「行きます」なぜすぐ代走と交代しなかった?

 ただ事ではない患部の状態を見た城石憲之コーチから代走の打診を受けたが、源田は「行きます」とキッパリ断った。そこには日本代表への熱い思いとはまた別の、実に冷静な狙いがあったという。

「あの試合、自分が最後まで出るのは無理だろうっていうのは分かっていました。だったら次の選手が準備する時間を作れたらいいな、と。次の選手が突然出て行ってケガをしたらほんとに終わりですから。走塁だったらできるから自分が行って時間を作ろうと。だから、中野(拓夢)には『(次の回の守備交代に向けて)準備しといて』と声をかけて塁に戻ったんです」

 源田はラーズ・ヌートバー(セントルイス・カージナルス)のタイムリーで生還して、この回一挙4得点の猛攻に貢献。思惑通りしっかりと準備に時間をかけた中野を送り出し、4回の守備から退いた。そして試合が続く東京ドームを後にして、トレーナーと共に都内の病院へ。韓国戦の試合経過に気を揉みながらも精密検査の結果を待った。

「まあ、脱臼だったらいいね、と言いながら病院に行ってレントゲンを撮りました。レントゲンの結果が映る画面を見た瞬間、先生があれ? っていう顔をしたんです。それを見た時に、ああ、折れているなと察しました。実際に画像を見せてもらっても折れていたんで、わぁ……と」

 結果は「右手小指骨折」で「全治3カ月」。残酷な診断を受けてもなお、源田の頭に「離脱」の二文字は一切思い浮かばなかった。絶対にこのチームに残る。最後までプレーし続ける。貫いた思いの芯にあったものは何だったのか。

<「ああ、終わっちゃうんかぁ」……後編では大谷翔平“あの最後の1球”の後ろで、源田が感じていたことを明かす。>

《続く》

#2に続く
「ああ、終わっちゃうんかあ」大谷翔平“あの最後の1球”の後ろで…“小指骨折”源田壮亮はこう思った「あれから…源田選手ですか?が増えました」

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