草茂みベースボールの道白しBACK NUMBER
中日・大島洋平のプロ初安打は「守備妨害」“最も非力な”2000安打到達者が「だまされて良かった」と振り返る野球人生の転機とは?
posted2023/08/26 20:01
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
JIJI PRESS
中日の大島洋平が通算2000安打を達成した。愛知県の享栄高から駒大、日本生命を経て2010年にドラフト5位で入団。大卒、社会人経由の選手としては、古田敦也、宮本慎也、和田一浩に続く4人目の達成者だが、同時に「最も非力な達成者」ともいえる。
比較対象となるのはチームの先輩でもある荒木雅博だが、2000安打達成時の33本塁打、460打点(最終キャリアは34本、468打点)は最少。現時点での大島は34本塁打、392打点である。また二塁打(荒木275=引退時、大島253)、三塁打(荒木27、大島53)と、まさしく単打に特化して生き抜いてきた好打者である。
初安打は「守備妨害」
その大島の記念すべき初安打は、入団年の3月27日。広島戦(ナゴヤドーム)での二塁内野安打である。実はこの安打は俊足を飛ばしてセーフになったものではなく、一塁走者に当たったものだ。野球規則では走者が守備妨害でアウトとなり、打者にはヒットがつくと書かれている。初安打が守備妨害。そんな打者が2000本まで積み上げたというのは、極めて珍しい偶然だ。
「スコアボードを見て、Hマークがついたのは覚えているんですが、当たったのが(投手の)チェン(・ウェイン)だったので、心配したのが先でした。僕、その後にも(守備妨害のヒットが)1本あるんですよ。そんな選手、いるんですかね」