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鎌田大地ラツィオ初陣取材…どころか「頼むからラジオに出てくれ!」日本人記者が逆取材された件「シコクってどこ?」「ダイエ、ダイチ!」
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byMarco Rosi-SS Lazio/Getty Images
posted2023/08/26 06:00
セリエAデビューを飾り、トレーニングを重ねる鎌田大地。ラツィオの本拠オリンピコが背番号6を待つ
鎌田は日本のどのあたりの出身? シコクってどこ?
日本人選手はどうやって育成される? ブカツって何?
なぜ欧州に来る日本人選手はドイツを経由するのか、といった経済原理が絡む質問から、日本で今流行っているサッカー漫画は、といったものまで、番組のSNSアカウントを通じた質問も生放送中に続々と届く。
僕はそれらに答えながら、若い地元リスナー向けに99-2000シーズンのスクデットを契機に日本にもラツィオ推しのカルチョファンが多く生まれたことや、2004年夏にラツィオが日本へ赴き、ベガルタ仙台と親善試合をしたこと等を話した。番組SNSにリアルタイムで好意的な反応が返ってくるのが、いかにも2023年という感じがする。
「ダイエ、ダイチ!」…って、鎌田はすでに人気?
すっかり気を良くした司会エルマルは、ここでとっておきのネタを披露してきた。鎌田の入団以来、ラツィアーレの間では彼を応援するフレーズが広まっているという。
「Daje Daichi! ダイエ、ダイチ!」
ローマ方言で「いけー! がんばれ!」を意味する「Daje」という言葉に語呂合わせし、鎌田のファーストネームをかぶせた短いかけ声がそれだ。
なるほど、「Daje」はローマの方言であるとともに全国レベルで馴染みある言葉だし、地元っ子に名前を覚えてもらうことは外国人選手にとって成功の第一歩だ。その意味で鎌田はすでにラツィアーレのハートにかなり食い込んでいるといっていい。
8月27日の第2節ジェノア戦は、いよいよ鎌田にとって本拠地ローマでの御披露目ゲーム、仕切り直しの一戦だ。
レイバ、マウリ、スタンコビッチ、センシーニ、ナンニ……クラブ史を彩る歴代の名手たちがつけてきた背番号6の後継者鎌田を「オリンピコ」は熱烈に迎えるだろう。