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大谷翔平の「想像を絶する体力」に取材記者は衝撃…大谷が直面する“飛行機移動と過密スケジュールの実態”とは?「体内時計が狂うのは…」
text by
斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byGetty Images
posted2023/08/17 17:02
ここまで好調をキープする裏で、蓄積疲労との戦いを続ける大谷翔平。取材記者が過酷なスケジュールの実態を解説する
過酷な飛行機移動、体内時計が狂うのは当然
日本のプロ野球と同じく、レギュラーシーズンは約6カ月間。ただ、メジャーリーグは日本より19試合多い162試合を戦う。過密日程な上に、広大な米国の東西南北を移動する。ドーム球場ではなく屋外球場が多いため、悪天候による中止で翌日にダブルヘッダーとなるケースもざらだ。
エンゼルスの本拠地は、米国西海岸のカリフォルニア州アナハイムに位置する。ア・リーグ西地区の戦いで言えば、マリナーズが拠点を置くワシントン州シアトルまで空路で約2時間半かかり、アストロズ、レンジャーズが本拠地とするテキサス州までは、3時間前後の飛行機移動を伴う。さらに、米国中部のテキサス州は時差が2時間。遠征先に移動した場合、単純計算で5時間進むこととなる。
東海岸の球団と戦う場合は時差がプラス3時間。逆に、東海岸から西海岸に移動する際には3時間、戻ることとなる。移動日なしで翌日ナイターの試合が組まれることも珍しくない。体内時計が狂うのは大谷でも苦労するところで、徹底した体調管理が求められる。
記者も驚き…計り知れない「体力と気力」
4月中旬、東海岸のボストン→ニューヨークの7連戦から西海岸のアナハイムに戻った当日に登板を控える過酷な状況だった。東海岸遠征のラスト7戦目、ニューヨークでの試合開始は午後4時08分。終了は午後6時57分だった。その後、大谷はチームとともにチャーター機で移動。チーム関係者によれば、アナハイムに到着した時刻は午前1時半ごろだった。
翌日、大谷がクラブハウスに現れたのは午後2時40分頃。その日の登板後、「ギリギリまでいつも寝ます。東から西はそんなにきつくないので。どちらかというと、こっち(西)から遠征で東に行く方が体的にはきつい。今回はそんなにきつくなかった」とサラリと振り返った。