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「令和闘魂三銃士」も清宮海斗も…“プロレス界の未来”がG1で全滅した現実をどう見るか? 海野翔太は嘆き節「ただの噛ませ犬だな、この野郎」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2023/08/08 17:03
8月5日、大阪府立体育館。『G1 CLIMAX 33』で準々決勝進出を逃した海野翔太は、目を見開いて悔しさをあらわにした
辻には双子の兄の将太さんがいた。「アメリカに住んでいる」というような話を耳にしたことはあるが、詳しくは知らない。そんな兄を、まさか新日本プロレスの試合場で替え玉として目にすることになるとは思ってもみなかった。
精神的にキッドを圧倒することができた辻は、スピアータックルで3勝目を拾うことができた。
3勝3敗1分で勝ち点7、星取り上はイーブンだが、爆発が足りなかった。最後の作戦は非常に面白かったけれど、辻には期待していただけにもっと暴れてほしかった。
清宮海斗の敗退に「これでいいのか」という思いが…
すでにリーグ戦敗退が決まっていた成田は、準々決勝進出の可能性を残していた清宮と対戦。互いに団体の「未来」らしく好試合を見せたが、最後は成田がフロントスープレックスで清宮をフォールした。成田は2勝3敗2分で勝ち点6。清宮も2勝3敗2分で勝ち点6。ともに負け越しだ。ただ、清宮はノアの代表としての参戦だったので「これでいいのか」という思いがある。
「オレのG1は終わったんすか? いや、まだ、主役までの道はまだ終わってないと思います、オレは『G1 CLIMAX』にまた戻ってきます。ここにまた戻ってきます。その時は、今度こそG1の主役、優勝とってやります」
清宮はこんな言葉を口にしたが、その顔には悔しさがにじみ出ていた。自身の団体のリーグ戦に出ずに、新日本のリングに上がった。それだけに、もっといい結果を期待されていたからだ。
メインイベントに登場した海野とヒクレオは勝った方が2位で準々決勝進出という状況だったが、大阪のファンは意外なほどヒクレオに大きな声援を送っていた。
レフェリーのレッドシューズ海野に「お父さん、味方するなよ」という大阪らしいヤジも飛んだ。
海野は長身のヒクレオに対してボディスラム、ブレーンバスター、ジャーマンスープレックスを繰り出してみせたが、最後はチョークスラムに沈んでしまった。ヒクレオの勝利にガッツポーズで喜ぶファンの姿もあった。海野も2勝3敗2分けで勝ち点6の負け越しだ。